ひまわり畑でまた逢いましょう

倉野ユウ

プロローグ

小学4年生の夏。お母さんが入院した。

いきなり体調が悪くなり始めて、何かおかしいと病院に行ったら、どうやら思っていたより良くない病気にかかっていたらしかった。


お父さんはお母さんの世話と自分の世話で手一杯で、夏休みの間だけ、田舎のおばあちゃんの家で暮らすことになった。


立派な家が山ほど並び、ちょっと電車に乗ればビルが立ち並ぶ街中に出れた私の家の周りとは違って、おばあちゃんの家の周りは文字通りの山と、畑と、家しかない。

ショッピングモールにだって、バスに乗らないと行けないほどのド田舎だ。


おばあちゃんは好きだったけど、正直に言うとそんなところに行きたくない。

でも、お母さんもお父さんも大変なんだから、我慢して行かなくちゃいけない。


そうして、いつもと少し違う夏休みが始まった。

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