第六章 先生たちに会ってきた(この部分は「暇人の集い 特別編」で)
私は基本的には霊感はないし、あまり信じてもいない。
理由は父親が(自称)現実主義者で幽霊やオカルトを全て科学ややらせだと私に言い聞かせていたから。
私自身は、脳の機能障害か疲労からか、空耳などがある。
生前の君は、それを聞いても大騒ぎしなかった。
でも、覚えているだろうか?
いつもの喫茶店で話をしていると、ぽつり、こんなことを言った。
「隅田さんの後ろに色々な人がいるけどみんな穏やかだね」
「……? 背後霊?」
大好きな笑顔になって君は教えてくれた。
「違うよ……たぶん、毎年お墓参りに行く先生たちだと思うよ。だって、死んだのに、それを認めたうえで、生きているときのように接してくれて嬉しいと思うよ」
「そーかなぁ? やっていることが(以下略。流石にちゃんとしたファンが卒倒しそうな妄想の数々)」
すると、君は少し考えてコーヒーを飲んだ。
「もしも、隅田さんが死んでも作品が後世に残って、ファンがお墓参りに来たらどうする?」
「嬉しいし、お中元とお歳暮を送りたい」
「それを同じ気持ちなんだよ」
今、キーを打っている私の後ろに君はいるのだろうか?
だとすれば、某ヒーロー映画ではないが何千回でも言う。
「君は、私史上最強の友人でファンだった!」
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