虹の橋を渡る友達へ

隅田 天美

序文 メール

 約八年前。


 私は心の病気と闘っていた。


 そこに君が登場した。


 私の周りには様々な壁がある。


 年齢、役、医者と患者……


 その中で友達は互いの利害の一致した関係だと軽く見ていた。


 その壁を彼女は堂々と破った。


『外の世界は、面白うよ』


 そう言って色々な場所に連れて行ってくれた。


 知らない世界、知らない話し、知らない人々の世界。



 いつも、何でもない喫茶店で待ち合わせをしていた。


 いつも君が遅れてきた。


 目の前の席に座り色々な話をした。


 くだらない話、身近な話、これからのこと・・・


 いつも私が私が待っていた。



 だから、今度は君が出会った世界で色々な話を聞いてみたい。



 今度は私が君を待たせる番になった。


――本来なら逆なのに・・・



 マイちゃん。


 私史上最強の友だち。


 また、会ったらバカ騒ぎをして『そこへの道』行こう。

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