幽霊とナメクジ

神風の後

第1話 5年後のきみへ

私は「今日」を生きる。

今日もではない。

3万日あるであろう我が身が地に足をつけて世の中に存在する特別な「今日」を生きる。





 








〜5年前〜












どんよりとした曇り空を私は毎朝迎える。


自分に今日も鞭を打って体を起こす。


いつも思う。

「どうして自分は生まれてきたのだろう」


「どうして自分という存在は否定し続けるくせに他人の期待は裏切らまいと無駄に汗水を流しているのだろう」


「自分は一体何がしたいんだろう」


毎日同じ朝を起きて、同じようなことを話し、同じ夜を眠る。


とりあえず高校に行ってとりあえず大学に行ってとりあえず企業に入り結婚し子供を産んで安定した老後を送る。そして最後にはとりあえず「死ぬ」。


「人生は割り切れないものだ」


多くの大人はこう言う。


しかしこの生き方は割り切れないどころか割ろうとする気すらない。

















くだらない












 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る