大事な大事な
「やっぱり、これは、神隠しにならないと」
木でできた大きな額縁を大事そうに持つ少女が嬉しそうに歩いていた。
セミロングの黒髪を揺らしながら
額縁に何が入っているか分からないよう丁寧に、自分側に透けた部分をあて、大事そうに抱いていた。
「ふふっ、藍ちゃんも言ってたし、私は間違ってないよね、ふふ」
頬を紅潮させ、弾むように歩く姿は幸せそのものだった。
「わっ」
嬉しすぎて気づいていなかったようだが、反対側から人が歩いてきていたようで、ぶつかってしまった。
「すっ、すいません!」
勢いよく振り返るも、すぐそこの角で曲がって行ったのか、すでに姿はない。
落ちてしまった額縁に気付き急いで拾い上げ、校長室の方角へ歩いて行った。
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