告白大作戦開始。
てかてかとした太陽が照り付ける中。
日曜日、近くの公園にて、ベンチに三つの影があった。
「で?」
稲荷がひと声を上げる。
もぐもぐと、グミを食べながら。
「天童さん、なんでグミ食べて痩せてるの?」
「遺伝子的な問題」
「これは大問題……。私嫉妬しちゃうかも……」
「別に太ってても可愛i……」
「準君、女の子は痩せてるって言ってもらいたいの!」
「へぇ―――」
(ぎこちなさは残ってない……。あの後仲直りしたのか。良かった)
稲荷は微笑ましい、と二人を見ていた。
ただ、彼らが両想いではない、と現実を知りながら―――。
そう思っていても、仕事は仕事。
夏凜の告白の援助をしなければ。
「で、どうする?告るなら早めがいいと思う」
「へっ‼へぇぇぇッッッ⁉」
赤面した夏凜が、大きく目を開いてのけぞった。
「だって、もし受け入れられた場合、幸せの期間は長い方がいいでしょ」
「でっ、でも、、れ、恋愛ってタイミングが大事って言うし……」
「そんなメガティブなこと言ってたら一生告れないぞ、夏凜」
「うん……」
やや恥ずかしそうな夏凜は、深呼吸をしてやるぞーとガッツポーズを作った。
……というわけで、作戦はこんな風になった。
・決行日:明後日(5月25日(火曜日))
・手紙で伝える。
↑下駄箱入れる?(昭和過ぎるかも)
――――――――――――――――――――――――
「有島さん、頑張れ」
「やっぱり明後日って早いよ。二人ともせっかちさん……?」
「早いに越したことはないし。あと俺せっかちじゃない」
「ううう―――」
手紙は夏凜が家で書いてくることになった。
流石に手紙の内容は見られたくないそうで。
まあ語彙力ありそうだし大丈夫だろうと稲荷は思った。
そして、火曜日。
作戦決行日。
事は起きた。
結局のところ……。
準が、耐えられるはずもなかったのだ。
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