第2話 かよこの妊娠
そんなわけで、かよこが妊娠した。
かよこって誰だって、西村ベーカリーの嫁さんである。
西村かよこ53歳、ゴリラに似ているとしか形容出来ない
かよこは鼻を膨らませながら言った
「誰がなんと言おうと産むからね!!!」
小次郎は頭を抱えた
小次郎とはだれかと言う説明はしたくないので省略する
西村家には二人の娘がいる
二人ともかよこによく似ている
荒々しく四角い
長女はなぎさ
次女はひかる
冗談でつけたとしか思えない
なぎさは今年20歳、ひかるは19歳
「ママ!!!パパはママとやったのね・・・?」
ひかるが信じられないと言うような顔で言った
「あんた、それはどう言う意味よ?ママに失礼じゃない!!」
なぎさが良い子ぶった
どう言う意味もこう言う意味もない
お前らの母親はお前らの父親とおせっせしたのである
「パパ、女なら誰でも良いの???!」
かよ子は怒り狂って電子レンジを窓の外にぶん投げた
電子レンジはちょうど西村家の前を歩いていた橋本を直撃した
橋本は気絶した
この家の女の良くないところは自分の顔面をさておき
人の顔面をとやかく言うところだ
かよこは足から金魚の水が腐った匂いがするし
なぎさの屁は失明するほど臭く
ひかるの口からはわきがの匂いがする
小次郎は頭を抱えた
俺はこの先どうなってしまうんだろうか・・・
家の中の臭気と女たちが騒ぐ声に耐えられなくなり
外に出てみると向かいの文房具屋の橋本が通りの真ん中で
軍艦マーチをがなっていた
もしかして
電子レンジが当たったせいで狂ったんだろうか
あてもなくひらひらと歩き出す
ひらひら、あくまでも
腹が減ったがどうしよう
とりあえずコンビニに入り
中華まんを買ったら中には何も入っておらず
不良品かまあ良いやとむしゃむしゃ食べたが
何も入ってないと思ったのだが
実は紙切れが入っており
細かく畳まれた紙切れを開いてみるとどどこからか
ファンファーレが鳴り響き
サリーを着たインド人の女の集団が
インド歌謡に合わせて踊りながら現れ
その集団の先頭にいた女から顔面に唾をぶっかけられ
ビンタを喰らわされた上
中指を立てられた
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