居場所がないなら作ればいい
@nngn
第1話
海馬爽 高校2年生もともとメンタルが弱かったが、高校に入学し早々にいじめにあい不登校に、それでも最初は別室登校や保健室登校などしてみたけど学校そのものがトラウマらしく今では全くいけていない。
むしろ家から出られなくなって絶賛引きこもり中。
何の変哲もない日常をおくっていたが、とある夏の日いつものように部屋でゲームをしていると突然電源が切れた。
暫くたっても戻らないのでネットで調べてみると、この区域の電機システムにトラブルが起き停電してしまったらしい。
まあこのゲームにも飽きてきてたし別にいいかななんて思いながらスマホでニュースを見ていると一つの記事が目にとまった。
『元ニート、小説家になり人生逆転!』か、そんなうまい話あるわけないって思ってたけど、停電はかなり長引き恐らく復活するのは3日後らしい。
他の高校生なら外に遊びに行ったり友達とお泊りパーティーでもすれば大して気にはしないだろうが、俺は違う。
友達どころかクラスメイトの名前と顔も一致していない。
それに相手は自分の存在を知っているのだろうか。
学校に行けなくなったのにはもう一つ理由がある。
高校1年生の夏休み明けから学校に行かなくなった。
だが学費を払っているのにもったいないといわれ冬休み明けに学校に行ってみたら
なんと俺の机と椅子がなくなっていたのだ。
クラスメイトは俺の名前を間違えるし、担任は「あー、ごめんね ずっと学校来てなかったから邪魔だしいいかなって思って、」だと。
きっと机が邪魔なんじゃなくて俺の存在が邪魔なんだろうなと考えていると小さな笑い声が聞こえた。
合崎一也だ。俺が一番会いたくない男、お察しの通りこいつが俺をいじめて不登校にまでさせた奴。
クラスメイトにも担任にもいじめを問題としない学校にも腹が立った。気づくとこんなことを口にしていた「そうですよね。邪魔ですよね。片づけていただいて構いません。」俺は教室から出ていき旧校舎に向かった。
俺は旧校舎の第二音楽室が好きだ。
この部屋には古いピアノが置いてあり3つあるピアノのうち何故かここだけメーカーが違う。
タッチが柔らかく、弾いていて心地がいい。
此処だけ学校ではない別次元なのではないかと思うほどだ。
親には学校に行くふりをして毎日旧校舎の3階一番南にある第二音楽室に通う。
いつしかそれが俺の日課になっていた。
だが3月の中旬いつものように音楽室に向かうと立ち入り禁止のテープが張られていた。
この学校に俺の居場所はもうない。そう確信した。
この世に俺の居場所なんてない。学校も家全部くそくらえ。
俺はこの世界を恨んだ。もう全部どうでもいいどうにでもなれ。
その日から俺はまた学校に行けなくなってしまった。
だがこんな俺にも世話を焼いてくれている奴がいる。
名前は知らない。顔もはっきりとは見えていないけれど、そいつは毎日プリントやらテストやらを俺に届けてくれる。
お節介な奴とばかり思っていたがあいつのおかげでテストはほとんどできて進級もできた。感謝していないと言ったら嘘になるだろう。
さて、話を戻すが、そんなこんなで俺は無事不登校になり友達もいない。
この3日どうやって過ごすかなあと考えているとさっきの記事を思い出した。
「小説家ねぇ」
でもまあ暫く暇だし書いてみるだけ書いてみるか、パソコンは充電してて無事だし、
何もしていないと孤独で潰されそうだ。
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