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「わかった。じゃあ、本当ならすぐにあゆみさんのご両親に連絡をしてあゆみさんには家に帰ってもらうところだけど、少しの間だけ、このまま二人で町の中を散歩しよう」といろは言った。
「本当ですか?」
と目を大きく見開いてあゆみは言った。
「本当。私はあゆみさんのことを信頼しているから、このまま二人でもう少しの間だけ家出の時間を続けよう」といろはは言った。
するとあゆみはすごく嬉しそうな(年相応の子供っぽい)顔をして「どうもありがとうございます。いろは先生」といろはに言った。
それから二人はあゆみはとくに行きたい場所も予定もないと言うことなので、いろはの行きたいところに行くことにした。
いろはの行きたいところ。
それは昔、いろはが子供のころに家出をした思い出の場所。昔いろはが住んでいた家の近くにあった小さな公園だった。
もうなくなっちゃったかな?
とちょっとだけ心配だったのだけど、公園はあった。
もうずいぶんと前になくなってしまったいろはの家の前を通り過ぎて(そこには真新しい家が建っていた)見覚えのある小さな石造の道を歩いていくと、そこに公園はあった。
その公園は本当に小さな公園で、子供たちが遊ぶ遊具があるだけの小さな小さな空間だった。
その大きさを見て、いろはは、この公園ってこんなに小さかったんだ、ととても(本当にとても)驚いた。
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