もふもふ公園ねこ物語~愛と平和のにくきゅう戦士にゃんにゃん~

菜乃ひめ可

第1にゃ♫ にゃんにゃん参上!!

 ここは、たくさんの猫が暮らす、芽吹めいぶきという町。


 緑豊かな町の二丁目にあるもふもふ公園は、毎日賑やかな猫たちでいーっぱい! 楽しそうに遊んだり、のんびりゴロゴロお昼寝をしたり、ねこねこ会議をしたりと、たくさんの猫たちが集まってくる。


「にゃおー♪」、「にゃ?」

(おはよー♪)、(元気?)


 公園に常駐している猫たちは、全部でななにゃん。

 その中でも、ひと際目立った行動をとる、(濃茶)の男の子がいた。


 その名も……。


 自称! 『にくきゅう戦士、にゃんにゃん!』


 公園おうちの平和を守るため、日々のかけっこ(足は速い)と、木登り(まだあんまり登れない)。そして、架空の敵との戦いごっこ(風で揺れる草とか?)で、厳しい修行に励んでいる(らしい)。


――ふんっ! にゃっはぁぁぁ!

 おしりープリプリ……どぉーーん!!


「つっかまえたのにゃー♪」


 そしていつだって元気いっぱい、見えない敵に立ち向かっていくにゃんにゃん。プリプリどぉーん! と突進していくのは、攻撃をしているそうだ。


 ニャーニャー……。

(ざわざわ……始まったニャー)


 そして今日は、久しぶりに五丁目からにゃんにゃんのお友達、黒たん(真っ黒)と、白たん(真っ白)の、単色猫コンビが遊びに来ていた。


 黒たん

「まぁた、にゃんはやってるのニャ?」


 にゃん

「あったり前のニャ!」


 公園のみんな

(((ここには、敵いないのにニャ……)))


 黒たん

「それ……意味あるのかニャ?」


 にゃん

「大丈夫! 敵が来たら、にゃんにおまかせニャ♪」


 黒たん

「そ……そうにゃのか」


 にゃん

「うにゅ! いつ敵が来るか分からにゃい!」


 公園のみんな

(((敵ってなにぃ~? 誰~?)))


 白たん

「はにょ~。そりはそりは安心ですますにょ」


 にゃんにゃんの修行は、この町では有名。

「二丁目に元気の良すぎるキジトラ子猫がいるらしい」と、最近話題なのだ。


「ニャッはッは~! そうかそうか、それは心強いことだな」


 大きな声で笑ったのは、もふもふ公園の長老。

 サビ猫(黒色多め)の、レオ。


「レオ隊長、今日もお疲れ様ですのニャ!」

 にゃんは胸を張って、姿勢良く座って自分を大きく見せる。そして長老に、元気いっぱいで挨拶をした。


「ワシは、お前さんの隊に入った覚えはニャイが……な」


「にゃふっ、けりけりぃ……キーック!!」

 長老の話が終わる前には、もうにゃんにゃんは次の修行(遊び)を始めている。


『う、うにゃーーー!!!!』

(え、えぇぇぇーー!!!!)


「にゃん! オイっ、にゃん! こら!! 長老のお話を……」


 公園のみんなはお顔真っ青。

(((ちょっとにゃんのやつ、長老の話聞いてにゃいよぉ)))


――やっばぁ~い!


 公園のみんながオロオロしている中、にゃんは公園内を「ひゃっほー」と、元気に駆け回っていた。ある意味、肝が据わっているのか?


 恐るべし、戦士にゃんにゃん(?)


 そして、にゃんは全速力で走り土管の上に、しゅたッ!


 そして!!

『愛と平和のにくきゅう戦士! にゃんにゃーん参上ぉぉ!!』


 公園のみんな((おぉ~、決まった……))


「オイ、にゃんん……あぁぁす、すみませんッ! 長老ぉ~」


 そう話すのは、にゃんにゃんのお兄ちゃん的存在、三毛猫のホク。


「あぁーよいよい。まだあの子は子猫じゃ」


 ココロ優しい長老レオは、元気なのは良いことだと、かっこよくキメて幸せそうにしているにゃんにゃんを、目を細めて見守っていたのだった。



「甘いっ! 甘すぎるニャッ」


「フンッ。にゃんだアイツ。生意気ニャ」


 その様子をとぉ~くから見ている、

 ふたつの影が――?!


 キラーンと鋭い……ふたつの視線!

 果たしてにゃんにゃんは、この怪しい影に気付くことが出来るのかッ?!



【ねこねこデータ】報告書。


 番号いち (にゃんにゃん)

 毛色   (濃茶色のキジトラ)

 性格   (元気いっぱい天真爛漫)

 ねこレベル(公園で頑張る子猫)

 攻撃スキル(けりけりキック)

 隠れスキル(尻尾で敵をおびき寄せる)


 おうち  (もふもふ公園)


 ☆本日の習得スキル(プリプリどぉーん)

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