君に奏でる夜想曲
車通りの減った片側二車線の道路沿いの歩道で、時折通る車の走行音を聞きながら君の隣を歩く。街灯と、走り去る車のテールランプが僕たちを照らす。君と過ごすこんな素敵な夜なのに、今日は月が見えない。高鳴る心臓はメトロノームのよう。ふたりの間に言葉は少ない。ゆったりとした歩調、粗めのコンクリート。ああ、僕にピアノが弾けたなら、この月のない夜にも君のために煌々と灯りを点すようなノクターンが奏でられるのに!
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