こわい話

 真夏のある夜。ホラー系の動画を観る。クッションを抱えてささやかな防衛の陣を敷く。画面と自分の間に何もないと、なんだか不安になるから。テーブルの上にはシュワシュワと気泡を上げる炭酸飲料。ドラッグストアで安売りしてたやつ。画面の中ではおどろおどろしい怪談話が繰り広げられている。背筋に寒いものを覚えながら画面から目は離さない。

 目を離せば、あなたがもう隣にいてくれない事実を見つめなければならないから。

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