夕立

「ねえ、ぴったりくっつきすぎじゃない?」

「暑くはないだろ、エアコンついてるし」

「そういう問題?」

 外は灼熱、室内は適温。触れた箇所だけ温度がじわりじわりと溶け合い上がる。

 ぽつり、ぽつり、ざああああ。

「あ、夕立」

 隣の気配が動き、頬に柔らかく少し湿った感触。聞こえるはずだったリップ音は、雨音に紛れて床に落ちた。

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