許して、許さないで

 あなたの幸せそうな横顔を見て、その温かな眼差しを見て、無理やり口角を上げて眦を下げるしか出来ないわたしを、どうか許してください。冗談を言って、笑いあって、穏やかに過ぎ去ったあの日々の記憶を忘れられないわたしを、どうか許してください。あなたの愛を一身に受けるあのひとが視界に入る度、奥歯を噛み締めるわたしを、どうか許してください。あなたにおめでとうと言えないわたしを、どうかどうか許さないでください。

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