0時

 先に布団に潜り込んでいる彼の隣に身を滑らせる。この時期まだ夜は寒い。わたしの冷えた足先を彼の足にぴとりとくっつければ、彼がつめた、と掠れた声で呟いた。


「いま、なんじ?」

「零時ぴったし」

「んー、はやくねろー」


 身じろぎした彼に抱き込まれて、少々乱暴に背中をぽんぽんされた。ふやけた声と言葉が愛おしくて、広い背中にしがみついた。

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