「みじかいことのは」ちょいと詰めて

弥栄井もずま

寒暖差

 近頃、日単位での寒暖差がすごい。身体が追いつかなくて悲鳴を上げているのが聞こえてくる。冷え性の手先はいつでも冷たい。

 

「寒いんだろ、ほら」

 

 差し伸べられる手のひら。

わたしのそれより少し硬くてしっかりしたそれと彼の顔を何度か見比べる。今日はあんまり寒くないよ、と言ったら不満げな顔でわたしの右手が拐われた。やっぱ冷てぇじゃん。と手の甲を親指で擦られて、何だか泣きたくなった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る