第7話 祟り神はチョコレートを御所望

今日は朝からバレンタイン特集の番組が多く、美海を横目にコハナちゃんの目はチョコレートでいっぱいになっていた。


そんなコハナちゃんに気がついた美海は、コハナちゃんにチョコレートが好きなのか尋ねると――


「こっこんなものには興味ないぞ!」


ありそうだったので、いつもコハナちゃんが勝手に外出していったので、その隙にスーパーへと訪れ、バレンタインの材料を購入し、そそくさと家へと帰宅した。

――――

―――――――

――――――――――

「まだ帰ってないよね……」


コハナちゃんがまだ帰っていないのを確認した美海は、急ぎ作業に取り掛かる。


細かく刻んだミルクチョコをバターと混ぜ、湯煎にかけながら更に混ぜる。


更に砂糖と練乳を入れて混ぜた後に溶き卵を入れて、泡たて機で混ぜた後は型に入れて180℃のオーブンで20分焼く。


そして粗熱を取って冷蔵庫で30分寝かし、ココアパウダーを掛ければ――


「完成!!」


そこへ窓を開けてタイミングよくコハナちゃんが帰って来た。


両手にガトーショコラを持ってニッコリしている美海に面食らうが、なんとなく事の次第を察知し、隠しているつもりなのかコハナちゃんも笑みが溢れていた。


「……ッ!(旨そうではないか!)」


いざ実証食の時――


コハナちゃんは口を大きく開いて、ガトーショコラを頬張る。


「――ッ!!?」


「ウマァァァァァァァイ!!」


「旨い旨い旨い旨い旨い旨~い!!」


「良かった~♪遠慮せず食べてね」


周りをぐるぐるしながら喜ぶコハナちゃんに、美海も嬉しくなる。


「美海よ、100個おかわりだ」


「フフフ!はいはい」


「……!(彼氏なんかいなくても、私にはコハナちゃんがいれば充分ね!)」


こうして、この後もチョコレートを作ってご馳走してあげる美海なのであった。


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