夕雨 夏杞

ゆめをみた

 長い夢をみていた

 大好きな祖父が生きていた

 いつも私に向けてくれた

 笑顔が眩しかった


 ずっと、聞きたいことがあったんだ

 話したいことも

 なのに、何も話せず終わってしまった

 ただ隣で甘えてただけ


 夢の中の私は、子どもだった

 未来に期待している、たったひとりの

 幼い小さな孫だった


 それを眺めていた


 祖父の存在を疑わない私しか

 もう会えないのかな


 届かない、声が

 寂しそうに。どこかへ消えていった


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夕雨 夏杞 @yuusame_natuki

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