第18話 あそこを測ろう

 俺は今、舞・舞子さんと一緒にリビングで朝食を食べているところだ。味はもちろんうまいが、栄養とボリュームも考えてある感じで抜かりない。


母さんが元気になっても、時々お邪魔していただこうかな? と思った時だ。


「舞、買ってきてあげようか? 今日買い物に行くから」

俺の斜め向かいにいる舞子さんがそう訊いてきた。


ゴム? 何のことだ? …全然思い付かない。


「良いって! あたしと正志にはまだ早いから!」


舞は顔を赤くしてオロオロし始める。これってもしかして、エロい意味のゴム? それを平然と訊く舞子さんは大人だよな~。


「私が言ったのはの事なんだけどね♪」


「……は?」

少しイラっとした様子の舞。


「ちょっとからかいたくなったのよ。正志君ならわかるでしょ?」


こっちに飛び火したんだが!? でも、舞子さんの言いたい事はわかる。


「そうですね。ちょっかい出したくなる事があります」

当然彼女の舞だけだ。


「正志まで!? あたしはそんなのないわよ!」


舞は真面目だからな~。そういうのは期待できない。


「からかったお詫びとして、どっちも本当に買ってくるわ。楽しみにしててね」


「……」


あれ? 舞がツッコまない? 結局両方欲しいのか?


「ってよく考えたら、正志君のサイズがわからないわ」


「俺、自分のサイズわからないです。測った事ないので…」

そもそも、そんな風に思った事すらない。


「だったら、今から測りましょうか♪」


「はぁ!?」

ボンヤリしてた舞がツッコむ。


「サイズが合わないゴムを付けても意味ないからね。サイズを知るのは大切よ」


「そうかもしれないけど…。それ、正志とお母さんの2人でやる気?」


「そのつもりよ。でも正志君が嫌だったら、1人でやってもらおうかな」


舞子さんに測ってもらうという事は、生のを見せないといけない。彼女の舞を差し置いて、先に舞子さんに見せるのはマズいのでは?


「正志君どうかしら? 1人でやる? 私の事なら遠慮しないで♪」


…舞が心配そうに見ている気がする。なら俺の答えはこうだ!


「1人でやります」


ホッとした様子を見せる舞。俺の選択は間違ってなかったか。


「…わかったわ。後でメジャーを用意するから」


「ありがとうございます」


「問題は大きくする方法だけど…、私の胸でも揉む?」


「良い訳ないでしょ? お母さんの胸を揉むなんて…」


そういえば、舞子さんはEカップだったな。…興味がないと言えば嘘になる。


「正志君に興奮してもらわないといけないのよ? 他にある?」


「それは…」


「心配しなくても、それ以上はないから。私の胸を揉んで“大きくなった”と思ったら、トイレとかで測れば済むわよね?」


「そうかも…」


「昨日舞が正志君にした前戯だと物足りないと思うわよ? …あっ」


舞子さんが口を滑らせてしまった。彼女に話した事を舞は知らない。


「正志、何でお母さんが昨日のこと知ってるのよ?」


当然こうなるよな…。正直に言うか。


「昨日舞が風呂に入ってる時に話したんだよ。俺の責めの後おかしかったろ?」


「……」


「そうしたら、女子は男子より感じやすい事を教えてもらったんだ。舞が言った『同じ事をしてあげる』も流れで伝えたんだよ」


「感じ方が違う? それじゃあ、昨日のは気持ち良くなかった?」


「気持ち良かったよ。でもほどじゃなかったな」


「あたしだって、そこまで感じてないわよ~!」


ムキになって怒る舞を、舞子さんは微笑みながら見つめるのだった。



 「…ちょっと2人とも、時間がないわよ!」

何気なく掛け時計を見た舞子さんが慌てた様子を見せる。


「ホントじゃん! 急いで食べないと!」

ペースを速める舞。


「正志君、測る話は放課後にしましょう」


「はい」

学校に遅刻してまで話す事じゃない。


「正志君の制服は、私の部屋のハンガーにかかってるの。私は食べ終わったら部屋で化粧するから、気にせずリビングで着替えてちょうだい」


「わかりました」


「あたしも制服に着替えないと。あんたの鞄もここに持ってきてあげるわよ」


「ありがとう舞」


せっかく早く起きたのにバタバタする3人だった…。

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