入場

地鳴りのような歓声が街全体に響き渡ったかと思うと、ジウの紹介と共に選手が入場する。

「歴史ある剣闘トーナメントを18歳という史上最年少で優勝した剣闘奴隷のヤングキング‼︎第44代目王者パブロォォォオ‼︎

そして、剣闘トーナメント第38回大会から第41回大会まで史上最多三度の優勝をほこり殿堂いりした闘いの天才!闘技場のラスボス‼︎ロット・ワイヤァァァア‼︎」

男どもの野太い声、女どもの黄色い歓声がコロッセオ内に響き渡る。

そしてチャンピオンは向かい合わせになるような形で闘技の舞台に入場してくる。

だが2人の態様は対照的だ、パブロは観客の声援に答えることなく周囲にかるく目をやると声援を受け止めるようにゆったりと歩き始めた。

対するロット・ワイヤことRワイヤは観客の声援に応え、さらに観客を煽るように両の手のひらを上に向け上下させる。そして声援に乗るように華麗なステップを踏み、進む。

2人が向かうのは闘技場舞台中央、数々の剣闘士たちが競い合い血が染み付いたことでもともとは黄土色に近かった舞台も赤黒く変色していた。

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コロッセオの生ける伝説達 @waterwaterwat

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