第七章④
夜になって、晩飯だの
ただし一夜で読み切るにはあまりに文字量が多いので、俺は登場人物の一人が長々とした独白をちょうど終えたキリのいいところで本を置いた。そろそろ
ところで人が夢を見る仕組みをご存じだろうか。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の二種類があって周期的に繰り返されるわけなのだが、眠りばなの数時間は深い眠り、ノンレム睡眠が多く訪れる。この時の脳は活動を休止しており、
「……キョン」
まだ目覚ましは鳴ってないぞ。何度鳴ってもすぐ止めてしまうけどな。お
「起きてよ」
いやだ。俺は寝ていたい。
「起きろってんでしょうが!」
首を
……固い地面?
上半身を
「やっと起きた?」
俺の横で
「ここ、どこだか
解る。学校だ。俺たちの通う県立北高校。その校門から
夜空じゃない。
ただ一面に広がる暗い灰色の平面。単一色に
世界が
俺はゆっくりと立ち上がった。
「目が覚めたと思ったら、いつの間にかこんな所にいて、
ハルヒが
「ハルヒ、ここにいたのは俺たちだけか?」
「そうよ。ちゃんと布団で寝てたはずなのに、なんでこんな所にいるわけ? それに空も変……」
「古泉を見なかったか?」
「いいえ。……どうして?」
「いや何となくだが」
ここが例の次元断層がどうのこうのしたとかの閉鎖空間なら、光の
「とりあえず学校を出よう。どこかで誰かに会うかもしれない」
「あんた、あんまり
驚いてるさ。特にお前がここにいることにな。ここはお前が作り出す巨人の遊び場じゃなかったのか? それともやはりこれは異常にリアル感のある俺が見ている夢か。人気のない学校でハルヒと二人きり。フロイト博士ならなんと
ハルヒと
「……何、これ」
ハルヒが両手を盛んに
まるで、俺たちを学校に閉じこめるように。
「ここからは出られないらしい」
風がそよとも
「裏門へ回ってみるか」
「それより、どこかと
ここが古泉が説明したとおりの閉鎖空間なら電話があっても
電気のついていない、暗い校舎というのはなかなかに不気味なものだ。俺たちは土足のまま
俺たちはまず宿直室へと向かい、誰もいないことを確認してから職員室へ、当然
「……通じてないみたい」
ハルヒが差し出す受話器を耳に押し当てる。何の音もしない。試しにダイヤルボタンを押してみたが反応なし。
職員室を後にした俺たちは、教室の電気を次々点灯させながら上を目差した。我らが一年五組の教室は最上階にある。そこから下界を
校舎を歩いている間、ハルヒは俺のブレザーの
「バカ」
ハルヒは上目
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