第七章①
なぜ、俺なのだ?
宇宙人未来人エスパー少年がハルヒの周りをうようよするのは、古泉いわくハルヒがそう望んだからだと言う。
では、俺は?
なんだって俺はこんなけったいなことに巻き込まれているんだ? 百パーセント純正の普通人だぞ。突然ヘンテコな前世に目覚めでもしない限り
これは誰の書いたシナリオなんだ?
それとも誰かに
お前か? ハルヒ。
なーんてね。
知ったこっちゃねえや。
なぜ俺が
せいぜい走り回ればいいのさ。俺以外の人間がな。
季節は本格的に夏の
「よっ」
俺の横に並んだ谷口もさすがに汗まみれだった。うっとおしいよなあ、せっかくキメた
「谷口」
一方的に興味ゼロの飼っている犬の話を始めた口を
「俺って、
「はあ?」
そんな
「まず普通の意味を定義してくれ。話はそっからだな」
「そうかい」
訊かないほうがマシだった。
「
当たり前だが、覚えていたらしい。
「俺も男だ。根ほり葉ほり訊いたりしないだけの分別とプライドを持っている。だがな、解るだろ?」
全然。
「どうやっていつのまにああなったんだ。え? しかも俺様的美的ランクAマイナーの長門有希と」
Aマイナーだったのか。そんなことより、
「あれはだな……」
俺は
「
「その嘘話を信じたとして、あの誰とも接点を持ちたがらない長門有希から相談を持ちかけられた時点でもうお前は普通じゃねえよ」
そんなに有名人だったのか、長門は。
「なにより涼宮の手下でもあるしな。お前が普通の男子生徒ってんなら、俺なんかミジンコ並に普通だぜ」
ついでに訊いておこう。
「なあ、谷口。お前、
「あーん?」
マヌケ面が第二段階に進行する。ナンパに成功した美少女がアブナイ宗教の
「……そうか。お前はとうとう涼宮の毒に
俺は谷口を
校門から校舎へと続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます