第五章②
俺は古泉の顔を見返した。正気の
「そんなわけがないだろ。俺は三年前より以前の
「もし、あなたを
「…………」
「例えば、仮想現実空間を考えてみて下さい。あなたが脳に電極を
「……それはそれでいいことにしておこう。世界が三年前か五分前に始まったってのもまあいい。そこから何をどう
「『機関』のお
「世界を自らの意思で創ったり
……おい、ハルヒ。お前とうとう神様にまでされちまったぞ。どうすんだ。
「ですから『機関』の者は
「ハルヒに
「もちろん涼宮さんは自分がそのような存在であることには無自覚です。彼女はまだ本来の能力に気付いていない。我々は出来れば
ここでやっと古泉は元の笑みを取り
「言うならば彼女は未完成の神ですよ。自在に世界を
「どうして解る?」
「あなたは
宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。
最初に出会った教室の自己
「彼女はまだ自覚的に神のごとき力を発揮出来はしない。無意識のうちに
俺だけ
「そうではありません。それどころか、あなたが一番の
ほっとしていいのか、悲しむべきなのか。
「解りませんね。ひょっとしたらあなたが世界の命運を
「ハルヒが神様だと言うのならな」と俺は提案した。「あいつを
「そのように主張する
あっさり古泉はうなずいた。
「ですが、軽々しく手を出すべきではないという意見で大勢は
「……いったいどうすりゃいいんだよ」
「それも解りません」
「もし、もしもだな、ハルヒがポックリ
「さて、同時に世界も
紙コップのコーヒーはすっかり冷たくなっていた。飲む気が
「超能力者とか言ったな」
「ええ、我々はまた
「だったら何か力を使って見せてくれよ。そうしたらお前の言うことを信用してやる。例えばこのコーヒーを元の熱さに戻すとか」
古泉は楽しそうに笑った。
「すみません無理です。そういう解りやすい能力とはちょっと違うんです。それに普段の僕には何の力もありません。力を使えるのはいくつかの条件が重なって初めて出来ることなんです。お見せする機会もあるでしょう」
長々と話したりしてすみませんでした、今日はもう帰ります、と言って、古泉はにこやかにテーブルを
俺は軽快に去りゆく古泉の背中が見えなくなるまで見送って、ふと思いついて紙コップを手に取った。
言うまでもないかもしれないが。
当然、中身は冷たいままだった。
部室に戻ると朝比奈さんが下着姿で立っていた。
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