第四章①
休みの日に朝九時集合だと、ふざけんな。
とか思いながらも自転車こぎこぎ駅前に向かっている自分が我ながら情けない。
北口駅はこの市内の中心部に位置する私鉄のターミナルジャンクションということもあって、休みになると駅前はヒマな若者たちでごった返す。そのほとんどは市内からもっと大きな都市部に出て行くお出かけ組で、駅周辺には大きなデパート以外に遊ぶ所なんかない。それでもどこから
シャッターの閉まった銀行の前に不法
「
顔をあわせるやハルヒは言った。
「九時には間に合ってるだろ」
「たとえ遅れなくとも一番最後に来た
「初耳だが」
「今決めたからね」
「だから全員にお茶おごること」
カジュアルな格好で両手を
白いノースリーブワンピースに水色のカーディガンを羽織った朝比奈さんはバレッタで後ろの
古泉はピンクのワイシャツにブラウンのジャケットスーツ、えんじ色のネクタイまでしめているというカッチリしたスタイルで俺の横に並んでいる。うっとうしいことだが様になっている。俺より背が高いし。
一同の
ロータリーに面した喫茶店の奥まった席に腰を下ろす
「アプリコット」と告げる。
どうせ俺のおごりさ。
ハルヒの提案はこうだった。
これから二手に分かれて市内をうろつく。不思議な現状を発見したら
以上。
「じゃあクジ引きね」
ハルヒは
「ふむ、この組み合わせね……」
なぜかハルヒは俺と朝比奈さんを
「キョン、解ってる? これデートじゃないのよ。
「わあってるよ」
我ながらやに下がった顔になっていたんじゃないだろうか。ラッキー。朝比奈さんは赤い
「具体的に何を探せばいいんでしょうか」
能天気に言ったのは古泉である。その横で長門は定期的にカップを口に運んでいた。
ハルヒはチュゴゴゴとアイスコーヒーの最後の
「とにかく不可解なもの、疑問に思えること、謎っぽい人間、そうね、時空が
思わず口の中のミントティーを
「なるほど」と古泉。
本当に
「ようするに宇宙人とか未来人とか
古泉の顔は
「そう! 古泉くん、あんた見所がある
あまりこいつを増長させるな。
「ではそろそろ出発しましょ」
何度言ったか解らないが、もう一度言ってみる。
「やれやれ」
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