第三章⑤
翌日の放課後。
「じっとして! ほら暴れない!」
「やっ……やめっ……助けてぇ!」
「きゃああ!」
部室に入りかけた俺を見て悲鳴を上げる朝比奈さんだった。
「失礼」
待つこと十分。朝比奈さんの可愛らしい
「いいわよ、入っても」
そして俺は室内に入り、しかるのちに絶句した。
メイドさんがいた。
エプロンドレスに身を包み、今にも泣きそうな朝比奈さんがパイプ
白いエプロンと、
非のうちどころのないメイド少女である。
「どう、可愛いでしょう」
ハルヒがまるで自分の
それには同意出来るな。情けなさそうな表情で
「まあ、それはいいとして」
よくありません、と小声で
「なんでメイドの格好をさせる必要があるんだ?」
「やっぱり
また意味すら
「これでもあたしはけっこう考えたのよ」
お前の考えることは考えないほうがいいようなことばかりだ。
「学校を
何に勝つつもりなんだ。
俺が
真っ赤になって朝比奈さんは首を
「撮らないで……」
手を合わせて拝まれようがどうしようが、ハルヒがそれをすると言えばするのである。
「ふええ……」
「目線こっち。ちょい
注文をつけながらハルヒは朝比奈さんを激写する。デジタルカメラなんかどこから持ってきたんだと
写真
「キョン、カメラマン代わって」
ハルヒは俺にデジタルカメラを
「ひっ……」
身を縮める朝比奈さんにハルヒは
「みくるちゃん、もうちょっと色っぽくしてみようか」
言うが早いかハルヒはメイド服の
「ちょ、やっ……何する……!」
「いいからいいから」
何がいいものか。
朝比奈さんはさらに
胸を強調するポーズを取って
やべ。
「有希ちゃん、
ゆっくりと本から顔を上げた長門は、ゆっくりと眼鏡を外すとハルヒに
ハルヒは受け取った眼鏡を朝比奈さんの顔にかけて、
「ちょっとずらした感じがいいのよねえ。うん、これで
撮るのに
「みくるちゃん、これから部室にいるときはこの服着るようにしなさい」
「そんなあ……」
「だってこんなに
朝比奈さんに
おいおい。うらやましいぞ、ハルヒ。つーか、止めろよな、俺も。
「そのへんで終わっとけ」
朝比奈さんに
「こら、いい加減にしろ!」
「いいじゃん。あんたも
グッとくるアイデアだが、たちまち真っ青になる朝比奈さんを見ていたら
「うわ、何ですかこれ?」
もみ合っている俺たちに声をかけたのは、入り口付近で
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