第三章①
部活と言ってもすることもないので、俺は自宅の押入に
ホームページを作ったはいいがカウンタも回らずメールも届かず、すっかり無用の長物となっている。もっぱらパソコンはネットサーフィン専用機になっており、これではコンピュータ研の連中が泣く。
長門有希が
「涼宮さん、
表情はすぐれないが深く
「今日、転校生が来ましたからね。多分そいつの
「転校生……?」
小鳥のように首を
「九組に転入してきた奴がいまして。ハルヒ大喜びですよ。よっぽど転校生が好きなんでしょう」
黒を置いて白を一枚裏返す。
「ふうん……?」
「それより朝比奈さん、よくまた部室に来る気になりましたね」
「うん……ちょっと
前にも似たようなことを言ってなかったか?
「何が気になるんです?」
パチリ、パタパタ。たおやかな指が石をひっくり返していく。
「ん……なんでもない」
ふと気配を感じて横を見ると、長門が盤上を
「……」
生まれて初めて犬を見た
「……代わろうか、長門」
声をかけると長門有希は機械的に
オセロの石をつまみ上げ、しげしげと見つめる長門。全然見当違いのマスに持っていき、磁力でパチリとくっつくのに
「……長門、オセロしたことある?」
ゆっくりと左右に首が
「ルールは解るか?」
否定。
「えーとな、お前は黒だから白を
対戦相手が代わって、朝比奈さんの様子もどこかおかしくなった。なんとなく指が
なんだ? 朝比奈さんは長門が
この勝負はあっさりと黒が大勝、次の試合を始めようかとなったとき、すべての
「へい、お待ち!」
一人の男子生徒の
「一年九組に本日やってきた
言葉を句切り、顔で後は自分で言えとうながす。
「
さわやかなスポーツ少年のような
「ここ、SOS団。あたしが団長の涼宮ハルヒ。そこの三人は団員その一と二と三。ちなみにあなたは四番目。みんっな、仲良くやりましょう!」
そんな
「入るのは別にいいんですが」
転校生の古泉一樹は落ち着いた笑みを絶やさずに言った。
「何をするクラブなんですか?」
百人いれば百人ともが頭に思い
「教えるわ。SOS団の活動内容、それは、」
大きく息を吸い、演出効果のつもりかセリフを
「宇宙人や未来人や
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