第二章④
目を丸くする朝比奈さんに、俺はハルヒに代わって言ってあげた。
「ここの部室は一時的に借りてるだけです。あなたが入らされようとしてるのは、そこの涼宮がこれから作る活動内容未定で
「……えっ……」
「ちなみにあっちで座って本読んでるのが本当の文芸部員です」
「はあ……」
愛くるしい唇をポカンと開ける朝比奈さんはそれきり言葉を失った。無理もあるまい。
「だいじょうぶ!」
無責任なまでの明るい
「名前なら、たった今、考えたから」
「……言ってみろ」
期待値ゼロの俺の声が部室に
お知らせしよう。何の
SOS団。
世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団。
略してSOS団である。
そこ、笑っていいぞ。
俺は笑う前に
なぜに団かと言うと、本来なら「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの同好会」とすべきなんだろうが、なにしろまだ同好会の
朝比奈さんはあきらめきったように口を
好きにしろよ、もう。
毎日放課後ここに集合ね、とハルヒが全員に言い
「朝比奈さん」
「何ですか」
年上にまったく見えない朝比奈さんは純真そのものの
「別に入んなくていいですよ、あんな変な団に。あいつのことなら気にしないで下さい。俺が後から言っときますから」
「いえ」
立ち止まって、彼女はわずかに目を細めた。笑みの形の
「いいんです。入ります、あたし」
「でも多分、ろくなことになりませんよ」
「大丈夫です。あなたもいるんでしょう?」
そういや俺は何でいるんだろうな。
「おそらく、これがこの時間平面上の必然なのでしょうね……」
つぶらと表現するしかない彼女の目が遠くのほうを見た。
「へ?」
「それに長門さんがいるのも気になるし……」
「気になる?」
「え、や、何でもないです」
朝比奈さんは
そして朝比奈さんは照れ笑いをしながら深々と
「ふつつか者ですが、よろしくお願いします」
「まあ、そう言われるんでしたら……」
「それからあたしのことでしたら、どうぞ、みくるちゃんとお呼び下さい」
にっこりと
うーん、
ある日のハルヒと俺の会話。
「あと必要なのは何だと思う?」
「さあな」
「やっぱり
「謎の定義を教えて欲しいもんだ」
「新年度が始まって二ヶ月も
「
「いいえ、不自然だわ。そんなの」
「お前にとって自然とはなんなのか、俺はそれが知りたい」
「来ないもんかしらね、謎の転校生」
「ようするに俺の意見なんかどうでもいいんだな、お前は」
どうもハルヒと俺が何かを
「お前さあ、涼宮と何やってんの?」
こんなこと
「まさか付き合いだしたんじゃねえよな?」
断じて
「ほどほどにしとけよ。中学じゃないんだ。グラウンドを使い物に出来なくなるようなことしたら悪けりゃ停学くらいにはなるぜ」
ハルヒが一人でやるんであれば俺はそこまで
暴走特急と化したハルヒを止める自信はあまりないけども。
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