第二章①
結果から言おう。そのまさかだった、と。
その後の休み時間、ハルヒはいつものように一人で教室から出て行くことはなかった。その代わり、俺の手を
屋上へのドアは常時
こんな所に連れ込んで俺をどうしようと言うんだ。
「協力しなさい」
ハルヒは言った。今、ハルヒがつかんでいるのは俺のネクタイだ。頭一つ分低い位置から
「何を協力するって?」
実は
「あたしの新クラブ作りよ」
「なぜ俺がお前の思いつきに協力しなければならんのか、それをまず教えてくれ」
「あたしは部室と部員を確保するから、あんたは学校に提出する書類を
聞いちゃいねえ。
俺はハルヒの手を振りほどくと、
「何のクラブを作るつもりなんだ?」
「どうでもいいじゃないの、そんなの。とりあえずまず作るのよ」
そんな活動内容不明なクラブを作ったとして学校側が認めてくれるか大いに疑問だがな。
「いい? 今日の放課後までに調べておいて。あたしもそれまでに部室を探しておくから。いいわね」
よくない、などと言えばこの場で
「……俺はイエスともノーとも言ってないんだが……」
「同好会」の新設に
人数五人以上。
わざわざ調べるまでもなかった。生徒手帳の後ろのほうにそう書いてある。
人数は適当に名前だけ借りるとかして揃えることも可能だろう。顧問はなかなか難しいが、何とかだまくらかしてなってもらうという手もある。名称も当たり
だが、
そう言ったんだけどな。自分の都合の悪いことには聞く耳持たないのが涼宮ハルヒの涼宮ハルヒたるゆえんである。
終業のチャイムが鳴るや
「どこ行くんだよ」
俺の当然の疑問に、
「部室っ」
前方をのたりのたり歩いている生徒たちを
目の前にある一枚のドア。
文芸部。
そのように書かれたプレートが
「ここ」
ノックもせずにハルヒはドアを引き、
意外に広い。長テーブルとパイプ
そしてこの部屋のオマケのように、一人の少女がパイプ椅子に
「これからこの部屋が我々の部室よ!」
両手を広げてハルヒが重々しく宣言した。その顔は
「ちょい待て。どこなんだよ、ここは」
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