猫からの連想で……
神無月ナナメ
黒猫はタンゴだけど
いつも変わらない朝……狭いマンションの階段を下りると前は私鉄電車の始発駅。
レンガ造りの茶壁が際立つ小さな五階建てマンションに引っ越して早くも十二年だ。
なんとなく見上げた空はうす白色に染まり視線を意識しながら振り向くと黒い猫。
そう二月二十二日……誰が考えたのか語呂合わせニャンニャンニャンでネコの日だ。
子ども時代から重度のアレルギー体質。いつしか犬猫は天敵みたいな存在だった。
嫌いじゃなくても苦手意識はある……逆に好かれて近寄られるタイプかもしれない。
黒猫としばしの時を共有しながら見つめ合い……古い友人の顔が脳裏に浮かんだ。
母子家庭の一人っ子育ちでワガママなアイツは中性的な見かけにバイセクシャル。
マンガやアニメの好みが同系列でどこかしら認め合ったヤツは長生きできなかった。
猫の全身を描いたドイツの白ワイン……昔から好みだから探して献杯も悪くない。
そんな空想した瞬間……ふふんとでもいいたげに小首を傾げると黒猫は走り去った。
黒猫に輪廻転生できるはずないんだが高みで見守られている……そんな気がした。
猫からの連想で…… 神無月ナナメ @ucchii107
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます