俳句「転」「星」


「転」――――


陽を透かし自転をさせる春日傘


ひをすかし じてんをさせる はるひがさ

季語:春日傘(晩春) 強くなる陽ざしに日傘をさす



「転」――――


転居終え涼みに折れる片陰り

 

てんきょおえ すずみにおれる かたかげり

季語:片陰り(夏) 道の片方が濃い影になっているさま



「転」――――


春愁に楽器の音律転調す


しゅんしゅうに がっきのおんりつ てんちょうす

季語:春愁(春) 春になるとなんとなく憂いに沈むこと



「星」――――


玻璃のさら瓜の色どり星涼し


はりのさら うりのいろどり ほしすずし

季語:星涼し(夏)



「星」――――


雲過ぎて山嶺あらう梅雨星


くもすぎて さんれいあらう つゆのほし

季語:梅雨星(夏) 梅雨の晴れ間にふと見える星空のこと。



「星」――――


万華鏡オリオン見たと笑む幼児


まんげきょう おりおんみたと えむようじ

季語:オリオン(冬)



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(春空の太陽に向けて日傘を地球の自転のように回している様子)

(家主なのか引っ越し業者なのか。日蔭をみつけて休憩)

(物想いで音の高低に乱れが。弾く者の視点か聴く方かは不明)

(夏夜の名物ガラスの皿に盛られた瓜。瓜は、冷やし瓜でもすいかでも)

(曇天が一瞬晴れた夜の山際)

(オリオン座を万華鏡の中に見つけた子ども)

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