エリア⑤「叡智のライブラリー」

【描写】(『叡智の図書館ライブラリー』エリアに初めて足を踏み入れた際)

「門を潜ると、そこは巨大な図書館だった。中心部は吹き抜けになっており、上を見上げると最上階の五階までびっしり本棚が置かれているようだ。天井からは光が差し込んでいるが、その光が本に当たらないように細心の注意が傾けられていることが分かる。探索者達が図書館に入ってきたのを察したのか、一人の男が探索者達の方へと歩み寄ってきた」


【KP情報(『叡智の図書館ライブラリー』編)】

 比較的序盤に訪れておきたいエリアの一つ。『欲望の賭博場カジノ』と迷うところだが、こちらの方が若干優先度は落ちるかもしれない。

 『欲望の賭博場カジノ』を事前に訪れて<万象言語理解>を得ておいた方が良いかも。

 各エリアを探索する際に必須となる情報が集まる巨大な図書館。ありとあらゆる世界から本を収集しているらしく、中にはクトゥルフ神話でお馴染みのあの貴重な書物もあるようだ。情報も収集できるようにNPCが多数配置されているが、一方で正気度チェックが発生するような罠も多数仕掛けられている。「人の話は沢山聞き、探索には深入りしすぎない」が正しい判断。まあ、このエリアは謎解きメインなので、必然的に本を探す必要があるのだが。

 エリアは地上五階から地上一階(階段で移動可能)と地下一階から地下三階。そして、隠された地下百二十階からなる。それぞれ、5F、4F、3F、2F、1F、B1F、B2F、B3F、B120Fの表記。目指すべき場所はB2Fにある『図書館長室』だが、こちらはエレベーターでしか行くことができず、通常の入力方法でも到達できない。

 エレベーターの使い方や各エリアの詳細はエリアごとに分けて説明するため、この項には書かない。


【情報(『叡智の図書館ライブラリー』1F編)】

 初めて図書館を訪れた際、謎の人物に声を掛けられる。


「おや、探索者の皆様かな? 私はオルヴストゥラ、この図書館で館長をしているよ。君達をこの世界に監禁した倒すべき敵ということになるね。さて、私を倒したければB2Fにある館長室に来るといい。エレベーターの使い方は総合案内で聞くといいよ。それと、図書館の中では暴れないようにね。唯一戦闘行為が解禁されている館長室以外で暴れると【衛兵】が駆けつけてくるからね。後は、そうだね。図書館ではあまり騒がないようにお願いするよ。常識的に行動してくれ給え。それでは、私はこれにて失礼するよ」


 以上のやり取り後、エリアボスである『大教授グランド・プロフェッサー』オルヴストゥラはエレベーターの中へと消えていき、探索が開始可能となる。


 技能を使わないで分かるものは以下の通り。事前に探索者達に伝えておいて頂きたい。

 それぞれについて、近づいた際に得られる情報は後述。


一、すぐ近くに『総合案内所』という看板が掲げられたカウンターがある。

二、入り口から向かって前方に進むとエレベーターがある。壁には張り紙がある。

三、入り口から向かって左方向に進むと壁に何かが掲げられている。

四、入り口から向かって右方向に進むと上に登れる階段がある。

五、多くの本棚が規則正しく並べられている。


『詳細情報』

一、『総合案内所』

 近づくと担当者の受付嬢が話し掛けてくる。<万象言語理解>の技能を持っているため、探索者とも言葉を交わせるらしい。

 詳細は別の項で詳しく説明。


二、エレベーターと張り紙

 エレベーターは八桁の何かを打ち込む方式になっている。

 <万象言語理解>の技能を持っていれば、振る必要もなくこれが異世界の数字であることが分かるだろう。

 張り紙には異世界の言語でエレベーターの使い方が書かれている。

 ここで示されている階の指定方法は以下の通り。


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5F 55555555

4F 44444444

3F 33333333

2F 22222222

1F 11111111

B1F BBBB1111

B2F 何らかの八桁の数字

B3F BBBB3333

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 なお、ここにはB120Fの存在は書かれていない。エレベーターの謎については別の項にて解説。


三、左方向の壁に掲げられているもの。

 図書館の総合案内看板。<万象言語理解>の技能を持っていれば、振る必要もなくこれが異世界の文字で書かれていることが分かるだろう。

 ここで示されている情報は以下の通り。


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B3F 書誌保存修復研究所(原則関係者以外立ち入り禁止)

B2F 図書館長室

B1F 図書館長選定特別図書展示室

1F 総合案内、00総記、01哲学・心理学

2F 02宗教・神学、03社会科学

3F 05自然科学、数学

4F 06応用科学・医学・工学、07 芸術

5F 08 言語・文学、09 地理・伝記・歴史、10魔術学

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五、多くの本棚が規則正しく並べられている。

 一階の本棚は前述の通り「00総記」と「01哲学・心理学」に関する書籍が集められているようだ。関連する技能があった場合、関連書籍を読むことで技能が上昇する。

 ※総記とは百科事典や新聞、雑誌等を示す。


 新聞の棚に<図書館>を振って成功すると、興味深い記事を見つけることができるだろう。ただし、読むには<万象言語理解>を振って成功する必要がある。


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万神歴20001年3月7日

「神々の抗争は次第に過激さを増す」

 神々とそれを崇める信徒達間の抗争は次第に激化している。争いを続ける神々に和平を提案した『龍皇ナゴンヴアグラ』も討たれ、調停の目処も立たないようだ。

 この状況を憂い、秘密裏に水面下で活動を続けていた秘密組織『蛮神討伐研究会』は昨日3月6日正午に異例の声明を発表。「神々を滅ぼす算段がついた」と、会のリーダーを務めるアゼルクオン氏は記者団を前に誇らしげに語った。

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【総合案内所について】

 初回受付嬢に話し掛けると図書貸し出しカードの作成を提案される。


「初めまして、当図書館のご利用は初めてでしょうか? もし、よろしければ『図書貸し出しカード』を作成させて頂きます。一度に六冊までこちらの図書館の本を貸し出すことが可能です。ただし、七冊目以降を借りる場合は一冊返却して頂くことになります。返却期限はありませんので安心して冒険を楽しんでくださいませ」


 この『図書貸し出しカード』について<機械修理>、<電気修理>、<電子工学>などの技能を振って成功した場合は特段情報は得られないが、自分の理解し得ない何か特殊な技術をもってして作り出されたものであることに気づく。

<SAN値チェック:0/1>


 受付嬢とは以下のやり取りができる。受付嬢から『図書貸し出しカード』を受け取った後に聞くことができる項目をKPから探索者に伝えてもらいたい。聞くかどうかは勿論自由である。


◆貸し出し

 図書館内の本を借りることができる。最大六冊。


◆返却

 借りている本を返却することができる。


◆各階の蔵書の種類について。

 以下の情報を開示。また、図書館長選定特別図書展示室の内容も教えてもらえる。


「この図書館の館長をされている『大教授グランド・プロフェッサー』様は昔優秀な数学者だったのですよ。特に好きな分野は『数字の性質を研究する分野』だったのうです。このB1Fの図書館長選定特別図書展示にはそんな図書館長が厳選した『数字の性質を研究する分野』の本を中心に数学関連の書籍を集めています。同じ本は3Fの『05数学』の棚にもありますので、もし図書館長選定特別図書展示の本が借りられている場合はこちらからお借りください」


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B1F 図書館長選定特別図書展示室

1F 総合案内、00総記、01哲学・心理学

2F 02宗教・神学、03社会科学

3F 05自然科学、数学

4F 06応用科学・医学・工学、07 芸術

5F 08 言語・文学、09 地理・伝記・歴史、10魔術学

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◆エレベーターに関する説明

 エレベーターにされている張り紙と内容は同じ。エレベーターの使い方、数字キーの入力の仕方を教えてもらえる。<万象言語理解>を持っていない場合はキー配置も教えてもらえる。


キー配置

----

6789

3456

B0123

----


「エレベーターのキー入力の仕方は1Fから5Fの場合は望む階数を八回、例えば1Fなら『11111111』、2Fなら『22222222』と押してください。望む階が地下地ある場合は最初にBを四回、その後希望する階の数字を四回入力してください。例えばB1Fなら『BBBB1111』と入力します。ただし、B2Fの『図書館館長室』には特別な数字を入力する必要があります。この数字の詳細はお教えできませんが、どうやら、移動できるパスワードは二種類あるみたいですよ」


◆【衛兵】について

 図書館内部の『図書館館長室』以外の場所で戦闘行為を行った場合、【衛兵】と呼ばれる存在が出現して対処に当たる旨が伝えられる。【衛兵】のステータスは後述。


「図書館内部で暴れた場合には強力な【衛兵】を召喚して対処します。図書館の中では暴れないようにお願いします。唯一、『図書館館長室』だけは例外となりますのでご安心ください。また、【衛兵】の召喚は致しませんが、図書館内部での飲食や大きな声での雑談等はお控えください。他のご利用者様の迷惑にならない図書館利用をお願いしております」


◆書誌保存修復体験について

 書誌保存修復体験を希望する場合は総合案内所でエントリーが可能となる。

 エントリーを行うことで、書誌保存修復研究所で講座を受けることができる。(中での探索はできず、講座を受講したという実績が反映される仕様)。

 具体的な内容は『叡智の図書館ライブラリー』B3Fの項で解説。


【その他、『叡智の図書館ライブラリー』1Fで会話できる人物に関する情報】


・探索者/ボロボロの白い衣服を纏った男(リストバンド番号180,219,603)

「お前達、探索者だ、だよな!? さ、砂漠には行くんじゃない! 絶対に行くんじゃないぞ! あそこで、俺の仲間は……仲間は……うわぁぁぁ!!!」


・探索者/ボロボロの白い衣服を纏った女(リストバンド番号190,000,020)

「あら? 新入りさん達かしら? 図書館では他のエリアの情報も集めることができるわ。ここで情報を集めてから他のエリアに行くのが定石みたいね。えっ、私? 別に他のエリアが怖いから図書館にいる訳じゃないないのよ。ただ、色々な世界から集めた蔵書が沢山あってついつい読んでいると時間が溶けてしまうのよね」


・図書館利用客(1F、男性)

「この図書館は地上五階建て、地下は三階まである。だが、噂によるとどうやら隠されたエリアがあるらしい。……その謎を解きたくて図書館に通い詰めているが、未だに手がかりの一つもない。一体どこにあるのだろうか?」




【情報(『叡智の図書館ライブラリー』2F編)】

 1Fあるいは3Fから階段を使用するか、エレベーターに「22222222」と入力することで訪問することが可能。

 技能を使わないで分かるものは以下の通り。事前に探索者達に伝えておいて頂きたい。

 それぞれについて、近づいた際に得られる情報は後述。


一、エレベーターから見て左手方向に階段がある。(エレベーターから降りた状態から見ているため、一階とは反対側)。

二、階段と反対側、右手方向に複合印刷機がある。

三、多くの本棚が規則正しく並べられている。


『詳細情報』

二、階段と反対側、右手方向に複合印刷機がある。

 資料の印刷が可能。複写のルールに基づき、最大で本全体の三分の一のみ。印刷費は一頁につき10エルコイン。


三、多くの本棚が規則正しく並べられている。

 二階の本棚は前述の通り「02宗教・神学」と「03社会科学」に関する書籍が集められているようだ。関連する技能があった場合、関連書籍を読むことで技能が上昇する。

 特に「02宗教・神学」のエリアには様々な世界から神話の類が集められており、探索者達は様々な情報を集めることができるだろう。


 以下には、「02宗教・神学」にある資料の一例を詳細と共に載せる。KPの判断で自由に情報を追加しても良い。今回は関係ないので載せないが、多分ダンテ・アリギエーリが著した『神曲』に関する解説書とか、実際の書籍とかも置かれていそう。


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『日本神話概説』

 天之御中主神アメノミナカヌシから始まり『古事記』や『日本書紀』などで描かれた日本神話の世界が図解付きで分かりやすく書かれている。各書籍ごとの内容の違いもしっかりと解説がされており、片方のみにしか記述のない神(高龗神タカオカミノカミ)や異伝等で伝えられる神(天之御中主神アメノミナカヌシも含まれる)などについてもしっかりと解説が書かれているようだ。

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希臘ギリシア神話概説』

 希臘ギリシア神話の伝承や神々に関する解説などが纏められている。

 本シナリオに関わるところでは、ヘスペリデスとともに黄金の林檎を守っていた百の頭を持つドラゴン『ラードーン』についても解説されており、事前に読んだ上で【SUB QUEST:ドリームツアー社のツアーⅠ「大空洞巡りの旅」】に参加すれば、『黄金の林檎の果樹園ラードーン』との奇妙な一致に違和感を覚えるかもしれない。まあ、だから何かが起こる訳でもないのだが。

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『北欧神話概説』

 北欧神話の伝承や神々についての解説。また、同じ起源を持つ中高地ドイツ語で書かれた叙事詩『ニーベルンゲンの歌』やこれを元にしたリヒャルト・ワーグナーの書いた楽劇『ニーベルングの指環』に関する解説も書かれている。

 本シナリオに関わるところでは、ファーヴニルについても解説されており、事前に読んだ上で【SUB QUEST:ドリームツアー社のツアーⅠ「大空洞巡りの旅」】に参加すれば、『黄金の守り竜の巣穴ファーヴニル』との奇妙な一致に違和感を覚えるかもしれない。まあ、だから何かが起こる訳でもないのだが。

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『世界の龍概説』

 各国の伝承等から龍に関するものを抽出した上で解説している。

 本シナリオに関わるところでは、『鯉の滝登り伝承』や、ローマなどの『博物誌』関連の書物などに登場する伝説の生物『アンフィスバエナ』、エジプト神話に始まり様々な地で形や名前を変えて伝承されている無限の象徴『ウロボロス』、ロシアの英雄叙事詩ブィリーナ等の伝承、民話に出てくる魔物『ゴルィニシチェ』などについても解説されており、事前に読んだ上で【SUB QUEST:ドリームツアー社のツアーⅠ「大空洞巡りの旅」】に参加すれば、各エリアの名称との奇妙な一致に違和感を覚えるかもしれない。まあ、だから何かが起こる訳でもないのだが。

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『クトゥルフ神話概説』

 クトゥルフ神話の様々な神格、神話生物などがグロテスクな絵と共に解説されている。

 読むことによってクトゥルフ神話に関する理解を深めることができるが、当然アレが発生する。

<SAN値チェック:1D12> <クトゥルフ神話>に+10%。

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『ポルナ=パルヴァド神話』

 『アヴラアヴァオス』を始めとする異界の神々の血塗られた争いの歴史が淡々と書かれた神話にして歴史書。挿絵付き。

 執筆者の中立で書こうとする意思が随所に見られるが、ところどころで神々に対する怒りや憎しみが現れてしまっている。

 人同士の醜い争い、神々の凄惨極まる所業。生々しく書かれた悲劇の数々。そんなものを一読すれば、

当然アレが発生する。

<SAN値チェック:1D6> <ポルナ=パルヴァド神話>に+30%。

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 ちなみに、「03社会科学」のエリアにはマックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の現物の論文などの貴重な論文や社会科学分野の初版本などの貴重書が置かれている。……一体どんな蔵書収集能力を持っているんだろうか?


【その他、『叡智の図書館ライブラリー』2Fで会話できる人物に関する情報】


・白髭を伸ばした仙人のような老人

「観光客かな? 『龍穴の大空洞グレートケイブ』には行ったかい? 【大戦】で多くの龍が死に、人が死に、一時は見るも無惨な状態になっていたんだが、最近はまた綺麗な景色を取り戻したそうだ。これも、あの勇者様のおかげなのかもしれないね」


・神経質そうな七三分けの眼鏡の男

「君達、『黄金の林檎』というものを知っているか? いや、知らないのであればそれで結構。とてつもない力を秘めた林檎だそうだ。異世界の希臘ギリシアという場所にも同様の伝承があるようだな。一度お目に掛かってみたいものだ。……しかし、伝承では百年に一度実を成らせる『黄金の林檎』は並の料理人ではポテンシャルを存分に引き出せないとか。そのような愚かな者の手に渡らないことを祈るばかりだな」




【情報(『叡智の図書館ライブラリー』3F編)】

 2Fあるいは4Fから階段を使用するか、エレベーターに「33333333」と入力することで訪問することが可能。

 技能を使わないで分かるものは以下の通り。事前に探索者達に伝えておいて頂きたい。

 それぞれについて、近づいた際に得られる情報は後述。


一、エレベーターから見て左手方向に階段がある。(エレベーターから降りた状態から見ているため、一階とは反対側)。

二、多くの本棚が規則正しく並べられている。


『詳細情報』

二、多くの本棚が規則正しく並べられている。

 三階の本棚は前述の通り「05自然科学、数学」に関する書籍が集められているようだ。関連する技能があった場合、関連書籍を読むことで技能が上昇する。

 それぞれの代表例は以下の通り。KPが分野に詳しければ実在する本の情報を加えても良い。

 『図書館長選定特別図書展示室』で展示されている数学分野の本についても「数学」のエリアにあり、借りることができる。


 「自然科学」……イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが1610年3月13日に出版した『星界の報告』の初版、アルベルト・アインシュタインの原論文集など。


 「数学」……アンドリュー・ジョン・ワイルズが著した『Modular elliptic curves and Fermat's Last Theorem(モジュラー楕円曲線とフェルマーの最終定理)』、ジェームズ・モリアーティが著した二項定理に関する数学論文など。


【その他、『叡智の図書館ライブラリー』3Fで会話できる人物に関する情報】


・探索者/ボロボロの白い衣服を纏った金髪の女(リストバンド番号171,019,927)

「あら? 貴方達もここに無理矢理連れて来られてしまったのね。もしかして、冒険に行き詰まってしまったのかしら? 私もなのよ。『龍穴の大空洞グレートケイブ』の滝に秘宝が眠っているという噂を耳にしたの。だけど、それらしいものも見つからないし、困ったわ。そういえば、滝の近くに何か石で作られた小さな遺物みたいなものがあったわね。形があの場所の地形そのものに似ていたけど、何か関係があるのかしら? でも、本来あるべきものがあそこには無かった気がするのよね」


・禿頭の老人

「ふぉふぉふぉ。お主達、オルヴストゥラとは会ったかの? 儂はあやつが数学者になる前からの友人なんじゃ。そういえば、あやつは数学の分野の中でも特に数字に興味があったな。全く関わりそうのない二数の中に意味を見出す、そんな子供じゃったな。『友愛数』という数字を気に入っておった。確か、最も小さい数は……なんじゃったかの? 忘れたわい」




【情報(『叡智の図書館ライブラリー』4F編)】

 3Fあるいは5Fから階段を使用するか、エレベーターに「44444444」と入力することで訪問することが可能。

 技能を使わないで分かるものは以下の通り。事前に探索者達に伝えておいて頂きたい。

 それぞれについて、近づいた際に得られる情報は後述。


一、エレベーターから見て左手方向に階段がある。(エレベーターから降りた状態から見ているため、一階とは反対側)。

二、多くの本棚が規則正しく並べられている。


『詳細情報』

二、多くの本棚が規則正しく並べられている。

 四階の本棚は前述の通り「06 応用科学・医学・工学」と「07芸術」に関する書籍が集められているようだ。関連する技能があった場合、関連書籍を読むことで技能が上昇する。

 それぞれの代表例は以下の通り。KPが分野に詳しければ実在する本の情報を加えても良い。


 『応用科学』……ハンフリー・デービーが『Elements of agricultural chemistry(農業化学の諸原理)』など。

 『医学』……ヨハン・アダム・クルムス著『ターヘル・アナトミア』、杉田玄白、前野良沢、中川淳庵共著『解体新書』などの古いものから最新の医学書まで。

 『工学』……ロケット工学、ロボット工学から建設工学に至るまでありとあらゆる工学分野の本が網羅されている。


【その他、『叡智の図書館ライブラリー』4Fで会話できる人物に関する情報】

・図書館常連客の女性

「何度来ても凄い図書館だと思うわ。……来るたびに蔵書が増えている気がするけど、気のせいかしら? 一体どうやって集めているのかしらね?」


・科学者風の白衣の女(年齢不詳)

「技能ディスクってご存知かしら? あの技術って私のラボが作ったものなのよ。ミ=ゴと呼ばれる異界の生物を捕らえ、彼らの洗脳技術を応用した能力上昇術。洗脳って聞くと怖いかもしれないけど、なかなか便利なものよ。特に<万象言語理解>と<書誌学>は汎用性が高くて頼りになるわ。もし、持っていないなら手に入れることをオススメするわね」




【情報(『叡智の図書館ライブラリー』5F編)】

 4Fから階段を使用するか、エレベーターに「55555555」と入力することで訪問することが可能。


 技能を使わないで分かるものは以下の通り。事前に探索者達に伝えておいて頂きたい。

 それぞれについて、近づいた際に得られる情報は後述。


一、エレベーターから見て左手方向に階段がある。(エレベーターから降りた状態から見ているため、一階とは反対側)。

二、多くの本棚が規則正しく並べられている。


『詳細情報』

二、多くの本棚が規則正しく並べられている。

 五階の本棚は前述の通り「08 言語・文学」と「09 地理・伝記・歴史」、「10魔術学」に関する書籍が集められているようだ。関連する技能があった場合、関連書籍を読むことで技能が上昇する。

 それぞれの代表例は以下の通り。KPが分野に詳しければ実在する本の情報を加えても良い。


 「08 言語・文学」……三島由紀夫の『豊穣の海』全四巻、紫式部著『青表紙本版源氏物語』及び『河内本版源氏物語』、アレクサンドル・デュマ・ペール著『ダルタニャン物語』シリーズなど。時代問わず国籍問わず世界問わず様々な本が所蔵されている模様。異世界の本もある。

 「09 地理・伝記・歴史」……各時代・国別・世界別に歴史書が所蔵されている。

 「10魔術学」……『クトゥルフ神話』関連の魔術書は異本も含めて全て所蔵。詳細は『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』の『第11章魔導書』を参照。

 その他、異世界の魔法が掲載されている魔導書も一冊のみ存在している。以下にその詳細を書く。


『ポルナ=パルヴァド界魔法概説』

 これまで口伝で伝えられたポルナ=パルヴァド界の魔法について初めて纏められた魔導書。執筆者はオルヴストゥラ。

 ポルナ=パルヴァド界の魔法は【大戦】と共に発達し、より攻撃に特化した内容へと進化していったようである。

正気度喪失:1D10

<ポルナ=パルヴァド神話>に+10%。

研究期間:二時間〜六時間(誰でも比較的簡単に習得できるように細心の注意を払って書かれているため)。


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◆書かれている魔法について◆

燃え盛る炎舞

コスト(探索者側が使う場合):MP3。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 燃え盛る炎が敵集団を襲う。

 1D6×人数分+1D100で10以下の場合に炎上発生。

 何らかの処置を施さない場合、毎ターン確定で1D6のダメージを受ける。回避可能。


真紅の爆発

コスト(探索者側が使う場合):MP2+1D3正気度。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 真紅の爆裂に敵対象一体を巻き込む。

 1D36+1D100で10以下の場合に炎上の発生。

 何らかの処置を施さない場合、毎ターン確定で1D6のダメージを受ける。回避可能。


解き放つ氷の槍

コスト(探索者側が使う場合):MP3。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 無数の氷の槍を敵集団に向けて放つ。

 1D6×人数分+1D100で10以下の場合に凍傷の発生。

 何らかの処置を施さない場合、毎ターン確定で1D3のダメージを受ける。回避可能。


凍結する大地

コスト(探索者側が使う場合):MP6。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 敵集団の足元を凍らせる。

 ダメージ無し。回避に失敗したものの足を凍らせて一定ターンの動きを封じる+1D100で10以下の場合に凍傷の発生。

 何らかの処置を施さない場合、毎ターン確定で1D3のダメージを受ける。回避不可能。


閃く雷鳴

コスト(探索者側が使う場合):MP4。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 電撃による連続攻撃。

 敵単体に3D3のダメージ。

 あまりに攻撃が早過ぎるため回避不可能。


光なき世界

コスト(探索者側が使う場合):MP4+1D3正気度。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 闇属性の魔力が敵を襲う。

 1D6×人数分のダメージ。回避可能。


治癒の光

コスト(探索者側が使う場合):MP20。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 治癒の光で味方一人を包み込む。

 1D50振って出た目の数値分味方単体のHPを回復する。


脈動する輝き

コスト(探索者側が使う場合):MP50。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 脈動する治癒の光で味方一人を包み込む。

 1D30振って出た目の数値分、七ターンの間ターン終了後に味方全体を回復する半永続脈動回復を付与する。


ダンシング・ブレイズ

コスト(探索者側が使う場合):MP7。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 魔術で操った魔術付与ナイフを飛ばして攻撃する。

 1D6+3。回避可能。


アストラル・ショット

コスト(探索者側が使う場合):MP10。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 魔術によって霊的エネルギーを生成して打ち出す。

 1D6+6。回避可能。


アストラル・アローズ

コスト(探索者側が使う場合):MP12。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 魔術によって霊的エネルギーを無数の矢へと変化させて解き放つ。

 4D3。回避可能。


アストラル・ジャベリン

コスト(探索者側が使う場合):MP15。必要時間:瞬時。<ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功した場合に発動することができる。

 魔術によって霊的エネルギーを生成して上空へと放ち、敵の頭上から無数の霊的な槍の雨を降らせる。

 1D6+1×人数分。回避可能。

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【その他、『叡智の図書館ライブラリー』5Fで会話できる人物に関する情報】


・男性清掃員

「三階を掃除しておったら、本が落ちてきてな。こんな奇妙な紙があったんじゃ。子供がここで謎解きでもしていたのかのぉ。本の内容とは関係なかったから儂が預かっているんじゃが、総合案内に届けるべきかのぅ。じゃが、折角なら謎を解いてみたい。しかし、難しいのぉ」


 その紙に興味を示すロールがあった場合。


「ほう、興味があるのか? ならば、この紙を進呈しよう。謎が解けたら答えを教えてくれ。それと、『総合案内所』に遺失物として届けてくれると助かるのぉ」


 紙の内容

  ↓

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??? | 220

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・【衛兵】の鎧を纏った女性

「ふぅ、魔法で軽量化されているとはいえやっぱり兜は窮屈ね。あら、探索者の皆様ね。図書館では暴れず静かに行動してくれると嬉しいわ。有事にならなければ私達もゆっくりできるからね」


・【衛兵】の鎧を纏った男性

「よっ、探索者達。あんたらも大変だなぁ。図書館長と戦うんだろ? やめとけやめとけ、無理無理、無理に決まっている。前に暴漢が暴れてよ、俺達の対処が間に合わなかったことがあったんだ。心の臓をブスリと刺されて生きているなんて化け物かよ。って思ったぜ。ああ、でもなんかカラクリがあるんだって言っていたか? 自分の存在を定義する根源がなんとかかんとかって……あっ、これ、喋るなって言われていたんだっけ? 誰も聞いていないよな? ……ああ、なんだ。多分、あの人の根源はあの本だろうな? 特別図書の展示に置いてあったあの本は普段持ち歩いていた方じゃなかったみたいだし。まあ、どこにあるか分からないんだけどな」




【情報(『叡智の図書館ライブラリー』B1F編)】

 エレベーターに「BBBB1111」と入力することで訪問することが可能。

 技能を使わないで分かるものは以下の通り。事前に探索者達に伝えておいて頂きたい。

 それぞれについて、近づいた際に得られる情報は後述。


一、周囲の棚には貴重そうな本が多数所蔵されている。

二、中央に図書館長のおすすめというブースが作られている。


『詳細情報』

二、中央に図書館長のおすすめというブースが作られている。

 最も強調されている本は『数の神秘』という書籍。三階の本棚の「05自然科学、数学」の棚にも同様の本があるが、それよりも遥かに草臥れている。かなり使い込まれている模様。

 POPには、「『大教授グランド・プロフェッサーが数学を志すに至ったアビューパルト博士の著書」と書かれている。<図書館>を振って成功すれば『大教授グランド・プロフェッサー』が興味を示していたであろう頁を発見できる(皺や線の跡などから)。ここには重要な部分を抜粋する。


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 数字は神秘に満ちている。例えば、自分自身が自分自身を除く正の約数の和に等しくなる自然数を指す完全数。各項が直前の項の自分自身を除く約数の和となっている再帰数列を指すアリコット数列と呼ばれるものも実に神秘的だ。

 友愛数も神秘的な数の組み合わせだと言えるだろう。異なる二つの自然数の組で、自分自身を除いた約数の和が互いに他方と等しくなるような数を指し、例えば220と284もその一つである。


 220 の自分自身を除いた約数は、1, 2, 4, 5, 10, 11, 20, 22, 44, 55, 110 。これを全て足すと和は284になる。

 284 の自分自身を除いた約数は、1, 2, 4, 71, 142 。これを全て足すと和は 220 である。


 このような友愛数に、人と人との友情のようなものを見出す者もいる。


 もし、我々人類にそれぞれ数字が割り振られていたとしよう。

 ほとんどの場合が、1以外の共通の約数を持たないので互いに素となる。しかし、ほんの僅かな確率だが、本当に親しい、それこそ親友と呼ぶべき友情を築ける人物と出会えるかもしれない。それこそ、220と284のような。


 このような荒廃した世界では、そのような幻想に縋りつきたい気持ちになることも理解できなくはない。

 人と人は本質的には分かり合えないというのに。

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【情報(『叡智の図書館ライブラリー』B3F編)】

 エレベーターに「BBBB3333」と入力することで訪問することが可能。

 技能を使わないで分かるものは以下の通り。事前に探索者達に伝えておいて頂きたい。

 それぞれについて、近づいた際に得られる情報は後述。


一、エレベーターの目の前に分厚いガラスが嵌め込まれた巨大な壁がある。銀色の出入り口となる扉が一つあるが、扉は女性職員によって塞がれている


『詳細情報』

 探索不能エリア。探索者が行けるのは女性職員の前までだけで、探索できるものは何もない。

 書誌保存修復体験を希望する場合は総合案内所でエントリーすることができる。エントリーすると、書誌保存修復体験が解禁され、三十分受講コースと二時間受講コースが選べるようになる。

 内容は以下の通り。


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・書誌保存修復体験三十分受講コース

<書誌学>に+10%。

・書誌保存修復体験二時間受講コース

<書誌学>に+99%。

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【情報(『叡智の図書館ライブラリー』B120F編)】

 エレベーターに「00550284/02840055」と入力することで訪問することが可能。

 ヒントは『探索者達の揺籠クレイドル・オブ・プレイヤー』=『キッチンルーム』で入手可能な『謎の写真立ての写真』に<万象言語理解>を使うか、五階の男性清掃員の持つ紙と『数の神秘』の友愛数を組み合わせることで求めることができる。ちなみに、『謎の写真立ての写真』に書かれていた数字は「02840055」である。

 「55」と「284」は互いに素の関係。何故その二数が選ばれたのだろうか?


 エレベーターは猛烈な勢いで地下へと落下する。そこには、これまでの図書館とは明らかに異なる薄汚れた研究所のような空間が広がっていた。……長らく掃除がされていないのか、埃が溜まっているようだ。


 技能を使わないで分かるものは以下の通り。事前に探索者達に伝えておいて頂きたい。

 それぞれについて、近づいた際に得られる情報は後述。


一、右奥の方へと廊下が伸びている、その先には円筒形の物体が置かれた小部屋があるようだ。稼働を示す小さなランプの光が光っているが、近づかなければ中身は分からない。

二、左方向に本棚がある。本棚の下には無数の資料が散らばっている。

三、本棚の近くには研究用の机があり、無数の書類が散乱している。また、机の上には一冊の使い込まれた黒革の手帳が置かれている。

四、前方向に進むと床から突き出した四角い柱のようなものがある。腰辺りの高さのその柱の真ん中には丸い巨大なスイッチがあり、シャッターの絵が描かれている。

五、部屋の前方奥は分厚いシャッターのようなもので締められており、外の様子は確認できない。


『詳細情報』

 この世界の闇そのもの。というか、本シナリオの闇そのものと言える場所へようこそ。


一、円筒形の物体

「膨大な円筒形の筒は全て緑色の液体で満たされている。中からはぶくぶくと泡が吹き出て、上へ上へと流れていく。筒の中には肉の塊があった。ぶよぶよとしたそれは、悍ましい異形と顔であったり、手や足の一部であったり、或いはなんの意味もない肉の塊であったり、脳の形をしていた。異形と目が合った。悍ましい怨嗟と共にこちらを覗き込む」

<SAN値チェック:1D8+1/1D100>


 <ポルナ=パルヴァド神話>を振って成功すれば、彼らがかつて世界を支配していた神々であったことが分かる。思うがままに虐げ、苦しめてきた者達の成れの果て。そんな彼らに探索者達は果たして何を思うのか。

 それと同時に、こうも思うかもしれない。何故倒された彼らはこうして保存されているのかと。


二、左の本棚と落ちている資料。

 数学関連の書籍、歴史関係の書籍などが雑多に置かれている。

 中には『ポルナ=パルヴァド神話』の見本本が含まれているようだ。作者は書かれていなかったが、ここから執筆者がこの研究所の持ち主であったことが分かるだろう。

 『ポルナ=パルヴァド神話』を初めて読んだ場合は<SAN値チェック:1D6>。

 初版本を読むと<ポルナ=パルヴァド神話>の技能が+69%される。


 資料に<幸運>、<目星>、<図書館>を振り、どれか一つでも成功すれば資料の内容が開示される。


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資料「神喰らいについて」

 異界より偶然手に入れた書物に、「黄泉戸喫ヨモツヘグイ」と呼ばれるものが書かれていた。死者の世界の食べ物を食らうと元の世界に帰ることはできなくなるというものらしい。

 人間の身体は数年で、完全に入れ替わると言われている。食べ物が消化され、栄養となり、身体を作る。

 その身体を構成されるものが死者の世界のものに置き換われば死者となる。そういうことだと、私は解釈した。

 神による理不尽は世界を襲っている。我々弱い人間に抗う術はない。彼らに勝つための方法を探すうちに私はある方法を思いついた。「黄泉戸喫ヨモツヘグイ」から着想を得たものだ。


 抗争で負けた『イシュヴァルガ』という神の肉片を持ち帰って密かに培養を始めた。そして、その神の肉片の一部を食らった。すると、不思議と力が湧いてきた。今なら神も殺せる、そんな気がした。


 世界は理不尽に満ちている。力あるものが支配する理不尽に満ちた世界だ。

 そんな世界が許されてはならない。誰もが恐怖に晒されて怯える世界であってはならない。


 ――全ては、生きとし生けるもの全てにとって幸せな世界のために。


         『蛮神討伐研究会』オルヴストゥラ

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三、机の上の資料

 資料に<幸運>、<目星>、<図書館>を振り、どれか一つでも成功すれば資料の内容が開示される。


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資料「不死に関する研究」

 人間の肉体は脆弱である。到底、神などという強大な存在と戦うことはできない。心の臓を貫かれれば終わりだ。

 そこで、私は擬似的な不死を成立させる研究に着手した。その結果、特定の物体に魂の一部と臓器の一部を融合させることで私の根源となるとなるものを創り出した。

 私の根源となる物体を破壊しない限り、私は何度も蘇ることができる。その根源は……私の……。

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三、机の上の黒革の手帖

 探索者が興味を持って調査をすれば、情報が即座に解禁される。

 どうやら、オルヴストゥラという人物の手帳らしい。様々な数式や走り書きが書かれているが、最終頁まで読み進めると奇妙な記述を見つけることになるだろう。


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 どうやら、私達は、失敗したらシイ。もう既にヒトとして、の自我を、保てなクなっているヨうだ。

 世界ヲ救おう、救オウとした。そんな我ラもまた、神ト同じニナッタ。身勝手な神ト同じ存在ニ。

 我々は愚カだっタ。神ヲ喰らイ、神となルということノ意味を理解シテいナカったノだ。


 ドウカ……どうカ、世界を救っテ、欲しイ。我ラを止めテ欲しイ。

 取り返シの付かなくナル……。

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※この資料を読むことをトリガーとして、探索者達に異変が生じる。『大教授グランド・プロフェッサー』オルヴストゥラ、『狂える道化師クレイジー・ジェスター』カバルスター、『狂神』アゼルクオン、『狂える神翼』アゼルクオン=フェザリオン、『破壊神翼』アゼルクオン=ジェノメントの五戦に限り補正が入る。補正の内容は以下の通り。


一、戦闘開始に「絶対負けられない戦いを前にして探索者達の士気が高まった」というアナウンスが入り、受けるダメージが1/2、与えるダメージが2倍となる。

二、戦闘開始時に不定の狂気、永久的狂気に陥る状況に陥っても「このような状況で狂気に陥っている訳にはいかない。探索者は気合いで狂気を振り払った」というアナウンスが入り、正気度チェックの結果が消滅する。

三、戦闘中に気絶するほどのダメージを喰らっても「こんなところで気絶している暇はない。探索者は気合いで意識を保った」というアナウンスが入り気絶を免れることができる。

四、戦闘中に即死するほどのダメージを喰らっても「こんなところで死んでいる暇はない。探索者は気合いで命を繋いだ」というアナウンスが入り即死を免れることができる。その際HPが3まで回復する。この効果は何度でも使用可能。つまり、実質敵からの攻撃が無意味化する。

五、<ブラックホール>等の物理的に存在を抹消するタイプの強制キャラロスト攻撃を無効化することはできない。


四及び五、スイッチとシャッター

 スイッチを押すことでシャッターが開閉する。外には出ることはできない。

 ガラス越しに地球よりも遥かに発達した文明を探索者は見るだろう。中央には天をつくほどの巨大なタワーを見つけることができる。タワーは緑から青へとグラデーションしており、第一展望台には三つの黒い球体が、第二展望台には五つの黒い球体が浮かんでいる。街を歩く人影はなく、寒々しい気配が伝わってくる。

 まさに、荒廃した未来都市である。

 実は、この荒廃した未来都市の景色を見ておくことで発生するイベントがある。


【情報(『叡智の図書館ライブラリー』B2F編)】

 エレベーターに「02200284/02840220」と入力することで訪問することが可能。

 エレベーターを降りた先には様々な実験器具が置かれた研究室のような部屋となっている。その先に『図書館長室』と書かれた扉がある。


 技能を使わないで分かるものは以下の通り。事前に探索者達に伝えておいて頂きたい。

 それぞれについて、近づいた際に得られる情報は後述。


一、部屋は清潔に保たれている。手入れが行き届いているようだ。

二、様々な実験器具が置かれている。

三、研究デスクに資料が山積みになっている。

四、禍々しいオーラを感じる扉ががある。

 開くことでエリアボスの間に入ることができる。次の瞬間には扉が閉まり、エリアボスとの強制戦闘へ。


『詳細情報』

二、様々な実験器具が置かれている。

 探索者が捜索を希望すれば、メスを回収することが可能。他に提案があれば、KPの判断に委ねる。

 本数は最大六本まで。


 武器として扱う場合のダメージは1D4、技能は<ナイフ>もしくは<投擲>。

 何もないなら『数の神秘』の破壊に役立つけど、ぶっちゃけ役に立たないと思うけどなぁ。


三、研究デスクに資料が山積みになっている。

 <図書館>に成功すれば以下の資料を発見することができる。


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資料「被検体 0001」

実験:失敗

効果:鼠を対象に動物実験。適合せずに死亡。

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資料「被検体 0135」

実験:生存

詳細:猿を対象に動物実験。生存はしたものの突出した力は得られず。発狂の傾向にあり。

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資料「被検体 0625」

実験:成功

詳細:鹿を対象に動物実験。適合して神の力の一端を得る。引き続き経過観察を行う。

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資料「被検体 7719」

実験:経過観察中

詳細:被験名カバルスター。時間もあまりないため、経過観察は並行して行う。神の力の発露は今のところない。……失敗してしまったのか?

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資料「被検体 7720」

実験:経過観察中

詳細:被験名オルヴストゥラ。続いて自身を対象に処置を施す。神の発露の兆候はなし。……くっ、このままでは。

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資料「被検体 7721」

実験:成功

詳細:被験名アゼルクオン。我が友に処置を施す。これで失敗すれば我々の悲願は叶わないということだろう。祈る神はないが、天に祈りを捧げる。

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四、禍々しいオーラを感じる扉がある。

 禍々しいオーラを感じる扉を開けることで強制戦闘。門には宙を舞う本と魔術師の姿の彫刻が彫られている。

 その他、技能で調べられることはない。

 扉を開ける場合、以下のアナウンスを行う。

 

「ここより先はエリアボスの領域テリトリーとなります。『大教授グランド・プロフェッサー』との戦闘に挑みますか?」


 全員の同意後に突入。戦場は真っ赤な絨毯が敷かれ、前方と左右に無数の本棚が壁沿いに整然と一列に置かれた部屋。部屋は奥行き8m、部屋の幅は6m、高さが6mほど。

 部屋に入ると同時に手に持っていた本を魔力で操って棚に戻すと、探索者達の前に立ちはだかる。


「お待ちしておりました! それでは始めましょうか? 神と人との戦いを!」


 このセリフと共にバトル開始。

 討伐後、『図書館エリア』と書かれたカードキーを入手。

 帰還時は来た道を戻る。


【エネミーデータ(『叡智の図書館ライブラリー』編)】


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(エネミー)

【衛兵】

HP:99999(一ターン終了後に99999自動回復) MP:∞(一ターン終了後に∞自動回復)

STR:99999 CON:99999 SIZ:70 DEX:99999 INT:99999 POW:99999 DB:+99999 移動:99999

備考:図書館の治安維持に務める【衛兵】。特別な装備と地脈より吸収した膨大な魔力により再現なく強化されており、討伐は不可能である。

一ラウンド数の攻撃は二回。

攻撃方法:魔力を纏った剣による攻撃のみ。

保有技能:<近接戦闘(刀剣)(99999)> <回避(99999)>

※ただし、特定の技能値ではなく<回避>を含め各種技に振られた技能値で判定する。

<回避(99999)> 望めば必ず回避できる。

<増援を呼ぶ(99999)> 増援の【衛兵】を呼ぶ。

<魔法剣斬り(99999)> 敵単体に99999の固定ダメージを与える。


※技能値が99999となっている技はダイスロールせずに確定で成功する。

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(エリアボスエネミー)

大教授グランド・プロフェッサー

HP:150(固定) MP:9999(自動回復999)

STR:86 CON:60 SIZ:85 DEX:400 INT:600 POW:600 DB:+3D6 SAN:-666 移動:15

弱点:『数の神秘』(普段から持ち歩いていたもので、線や注釈などが書かれている一点もの。根源化している。破壊することでHPの残量に関わらず即死させることができる)。

装甲:全ての攻撃に対して100ポイントの魔術的装甲がある。これは、本人が復活した時に再生。更に初手で「あらゆる攻撃を三回だけ完全にカットするバリア」を貼る。この行動は初手のみ。戦闘で死亡後もターン数は継続されていると判断される。

備考:秘密組織『蛮神討伐研究会』の最高幹部『三賢人』の一人。アビューパルト博士の著書『数の神秘』と出会って数学者を志す。その過程で図書館に通い詰め、いつか世界中の本を集めて図書館を作ることを夢見るようになった。しかし、【大戦】が激化したことで両親や最愛の妹が神々の闘争に巻き込まれて死去。一人の生き残ってしまったオルヴストゥラは神への怒りと世界の平穏を取り戻すために同志と共に立ち上がった。神々を倒すために神と同化する道を選ぶが神の力は得られず副作用で発狂。自らが守りたかった世界を一度滅ぼしている。科学と魔術に精通し、おまけに不死性まで持つ強敵。それでも一定時間は手加減してくれるが、一定時間倒せないと本気で潰しに掛かってくる。本が燃えるため火属性の魔法は使わない(使えないとは言っていない)。

一ラウンド数の攻撃は一回。

攻撃方法:多種多様な魔法を扱う。

保有技能:<近接格闘(格闘)(40)> <投擲(40)> <魔法(99)> <天文学(99)> <物理学(99)> <回避(66)> <ポルナ=パルヴァド神話(99)>  <クトゥルフ神話(99)>

※ただし、特定の技能値ではなく<回避>以外は各種技に振られた技能値で判定する。


行動は以下のサイクルで行われる。


一ターン目

「お手並み拝見といきましょうか?」

<ダメージカットバリア×3(99)> 自身にあらゆる攻撃を三回だけ完全にカットするバリアを貼る。コストはMP1のみ。


二ターン目から九十九ターン目まで

<魔術付与ナイフ(40)> 1D6+3 <近接格闘(格闘)(40)>or<投擲(40)>の選択式。コストはMP1のみ。

<ダンシング・ブレイズ(99)> 1D6+3 魔術で操った魔術付与ナイフを飛ばして攻撃する。回避可能。コストはMP2のみ。

<アストラル・ショット(99)> 1D6+6 魔術によって霊的エネルギーを生成して打ち出す。回避可能。コストはMP3のみ。

<アストラル・アローズ(99)> 4D3 魔術によって霊的エネルギーを無数の矢へと変化させて解き放つ。回避可能。コストはMP3のみ。

<アストラル・ジャベリン(99)> 1D6+1×人数分 全体攻撃。 魔術によって霊的エネルギーを生成して上空へと放ち、敵の頭上から無数の霊的な槍の雨を降らせる。回避可能。コストはMP5のみ。

<解き放つ氷の槍(99)> 1D6×人数分+1D100で10以下の場合に凍傷の発生。何らかの処置を施さない場合、毎ターン確定で1D3のダメージを受ける。回避可能。コストはMP10のみ。

<閃く雷鳴(99)> 敵単体に3D3のダメージ。電撃による連続攻撃。あまりに攻撃が早過ぎるため回避不可。コストはMP10のみ。

<光なき世界(99)> 1D6×人数分。闇属性の魔力が敵を襲う。回避可能。コストはMP10のみ。

<萎縮(99)> 詳細は『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』の『第12章クトゥルフの呪文』を参照。対象を恐ろしい爆風に巻き込む。コストはMP10以上、40以下までの数値で投入。

<破壊(99)> 詳細は『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』の『第12章クトゥルフの呪文』を参照。対象一体を一時的に無力化する。本来のコストはMP3だが、『大教授グランド・プロフェッサー』はMP10消費する。


百ターン目

「膠着状態が続いていますね。そろそろ本気でお相手しましょうか?」 行動無しの台詞のみ。


百一ターン目から百九十九ターン目

<グレート・アトラクター(99)> 1D1000+100+DB <魔法(99)>と<天文学(99)>の融合技。小規模な銀河を創造し、狙った目標の付近で銀河面の衝突を引き起こす。回避可能。コストはMP100のみ。

<メテオ・ストライク(99)> 1D320+DB <魔法(99)>と<天文学(99)>の融合技。隕石を落下させる。回避可能。コストはMP50のみ。

<ミーティア・レイン(99)> 1D320+DB×人数分 <魔法(99)>と<天文学(99)>の融合技。無数の流星を降り注がせる。コストはMP70のみ。

<アトミック・ドライブ(99)> 1D10×1D100 <魔法(99)>と<物理学(99)>の融合技。核エネルギーを収束して撃ち出す。コストはMP70のみ。オルヴストゥラの編み出した魔法。

<ゲート・オブ・ディメンジョン(99)> 時空を超越する門を生み出し、距離を無視して移動する。コストはMP50のみ。

<神格召喚・アヴラアヴァオス=クローン(99)> 時空の門ディメンジョン・ゲートを生み出して『アヴラアヴァオス』のクローンを呼び出す。従属させる力はないため、召喚された『アヴラアヴァオス』のクローンは第三陣営として行動する。コストはMP50のみ。

<神格召喚・イシュヴァルガ=クローン(99)> 時空の門ディメンジョン・ゲートを生み出して『イシュヴァルガ』のクローンを呼び出す。従属させる力はないため、召喚された『イシュヴァルガ』のクローンは第三陣営として行動する。コストはMP50のみ。

<神格召喚・エデュバルグフ=クローン(99)> 時空の門ディメンジョン・ゲートを生み出して『エデュバルグフ』のクローンを呼び出す。従属させる力はないため、召喚された『エデュバルグフ』のクローンは第三陣営として行動する。コストはMP50のみ。

<神格召喚・ポラフォヒョルノ=クローン(99)> 時空の門ディメンジョン・ゲートを生み出して『ポラフォヒョルノ』のクローンを呼び出す。従属させる力はないため、召喚された『ポラフォヒョルノ』のクローンは第三陣営として行動する。コストはMP50のみ。

<異界神格召喚・クトゥルフ(99)> 時空の門ディメンジョン・ゲートを生み出して『クトゥルフ』を呼び出す。従属させる力はないため、召喚された『クトゥルフ』は第三陣営として行動する。コストはMP50のみ。

<異界神格召喚・クトゥグア(99)> 時空の門ディメンジョン・ゲートを生み出して『クトゥグア』を呼び出す。従属させる力はないため、召喚された『クトゥグア』は第三陣営として行動する。コストはMP50のみ。

<異界神格召喚・ハスター(99)> 時空の門ディメンジョン・ゲートを生み出して『ハスター』を呼び出す。従属させる力はないため、召喚された『ハスター』は第三陣営として行動する。コストはMP50のみ。

<異界神格召喚・ニャルラトテップ(99)> 時空の門ディメンジョン・ゲートを生み出して『ニャルラトテップ』を呼び出す。従属させる力はないため、召喚された『ニャルラトテップ』は第三陣営として行動する。コストはMP50のみ。


二百ターン目

「まさか、ここまで生き残るとは……驚きです。ならば、お望み通り我が全力で死に至らしめさせてあげましょう」 行動無しの台詞のみ。


二百一ターン目以降

<ダークマター(99)> 敵全体に9999固定ダメージ。完全暗黒物質が敵全体を襲う。回避可能。コストはMP1のみ。

<ブラックホール(99)> 敵全体をキャラロストに至らしめる。超重力場の形成によってブラックホールを生成しめ敵全体を飲み込む。この効果は神格にも有効。回避可能。コストはMP1のみ。


バナナの皮を投げられた場合の反応

一ターン目

 1D6振って3以下の場合、滑って尻餅をつく。行動消滅。

二ターン目

「何故、こんな状況でバナナの皮を投げるのですか!? 気が知れません!!」 行動無しの台詞のみ。


即死するほどのオーバーキルダメージを喰らって生存した場合

「何故生きているのです!? あり得ないあり得ないあり得ないあり得ない!!!!!!」

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(エリアボスエネミー)

『数の神秘』

HP:1(固定) MP:0

STR:0 CON:0 SIZ:1 DEX:0 INT:0 POW:0 DB:0 SAN:0 移動:0

弱点:あらゆる物理攻撃・魔法攻撃など。

装甲:無し

備考:オルヴストゥラが大切に持ち歩いているアビューパルト博士の著書『数の神秘』。様々なメモ書きやライン引きがされている一点もの。根源化しており、破壊することで血液と臓器の一部、魂の一部が吐き出される。

一ラウンド数の攻撃は一回。

攻撃方法:無し。技能も無し。

※ただし、特定の技能値ではなく各種技に振られた技能値で判定する。

<蘇生(999)> 『大教授グランド・プロフェッサー』が死亡、自身が生存している場合に『大教授グランド・プロフェッサー』を蘇生させる。なお、この情報は自身のターン経過で行われるが、『数の神秘』にターンが来ていることは公表されない。

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・アヴラアヴァオス

 無限大の文字を彷彿とさせる二つの光の輪を背負い、白き馬の如き下半身と筋骨隆々な人間の如き上半身を持つ戦神。顔は青く、上半身には赤い体に緑の線が走り、瞳は金色と緑色のオッドアイだった。

 刺し貫いた相手を戦奴隷として使役することが可能な『銀閃の長槍』という神武具を持っていた。神々の中でも一際交戦的な神であり、従えた者達や信徒達と共に数多くの侵略行為をしたと言われている。

 オルヴストゥラの手によって残骸からクローンとして蘇った。どちらの味方をするかは決まっていない第三陣営。毎ターンランダムに自分以外に攻撃する。


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(エネミー)

アヴラアヴァオス=クローン

HP:999(固定) MP:666

STR:700 CON:1000 SIZ:256 DEX:700 INT:999 POW:999 DB:+6D6 SAN:821 移動:15

弱点:無し

装甲:全ての攻撃に対して100ポイントの魔術的装甲がある。

備考:オルヴストゥラの手によって残骸からクローンとして蘇った『アヴラアヴァオス』。

一ラウンド数の攻撃は一回。

攻撃方法:槍による攻撃を得意とする。

保有技能:<近接格闘(槍)(99)> <回避(30)>

※ただし、特定の技能値ではなく<回避>以外は各種技に振られた技能値で判定する。

<エインヘリアル・スピア(99)> 6D20+1/3で戦奴と化す。回避可能。

<エインヘリアル・ランス(99)> 6D80+1/3で戦奴と化す。回避可能。

<神々の宮殿(99)> 戦奴が生きている限りアヴラアヴァオスは不死となる。

<戦奴の贄(99)> 自身が受ける筈だったダメージや精神ダメージを全て戦奴に押し付ける。

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・イシュヴァルガ

 六枚の燃え上がる翼を持ち、無数の銀色の筋が走った黒き触手の生えた下半身と、純白の美しい女性の上半身が合体したような姿の神。通常の腕の他に腰辺りから左右合わせて六本の腕が生えている。

 髪は一本一本が蛇の形をしており、命を宿している。額に金色に輝く第三の目を持ち、それ以外の瞳は灰色。

 怠惰と情欲の神。信徒達は皆退廃的だったという。

 オルヴストゥラの手によって残骸からクローンとして蘇った。どちらの味方をするかは決まっていない第三陣営。毎ターンランダムに自分以外に攻撃する。


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(エネミー)

イシュヴァルガ=クローン

HP:999(固定) MP:666

STR:495 CON:1000 SIZ:256 DEX:800 INT:999 POW:999 DB:+6D6 SAN:765 移動:15

弱点:無し

装甲:全ての攻撃に対して100ポイントの魔術的装甲がある。

備考:オルヴストゥラの手によって残骸からクローンとして蘇った『イシュヴァルガ』。

一ラウンド数の攻撃は一回。

攻撃方法:多種多様な魔法を扱う。

保有技能:<近接戦闘(格闘)(99)> <魔法(99)> <回避(30)>

※ただし、特定の技能値ではなく<回避>以外は各種技に振られた技能値で判定する。

<慈悲なる煉獄の翼(99)> 敵一体を抱擁して灼熱の翼により一気に焼き尽くす。回避に失敗した場合、対象を問答無用で焼死させる。回避可能。

<傾世女神の蛇眼(99)> 回避に失敗した場合、「徐々に石化状態となる」。この石化を解く方法はなく、十ターンの経過で完全に石像と化す。回避可能。コストはMP1のみ。

<連続触手攻撃(99)> 10D6+DB 無数の触手による連続攻撃。

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・エデュバルグフ

 無数の巨大な歯車によって構成された二つの巨大な翼を空中に浮遊させる形で持つ巨大な神。

 ゴムのようなぶよぶよとした鱗に覆われた、眼光鋭い銀の瞳を持つ人型であり、最も人間に近い形をしている。特定の武器を持たず、その巨躯と生み出した機械兵器を駆使して暴れ回っていたという。

 オルヴストゥラの手によって残骸からクローンとして蘇った。どちらの味方をするかは決まっていない第三陣営。毎ターンランダムに自分以外に攻撃する。


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(エネミー)

エデュバルグフガ=クローン

HP:999(固定) MP:666

STR:666 CON:1000 SIZ:256 DEX:950 INT:216 POW:999 DB:+6D6 SAN:765 移動:15

弱点:無し

装甲:全ての攻撃に対して100ポイントの魔術的装甲がある。

備考:オルヴストゥラの手によって残骸からクローンとして蘇った『エデュバルグフガ』。

一ラウンド数の攻撃は一回。

攻撃方法:多種多様な機械を扱う。

保有技能:<近接戦闘(格闘)(99)> <機械(99)> <回避(30)>

※ただし、特定の技能値ではなく<回避>以外は各種技に振られた技能値で判定する。

<歯車の翼(99)> 200D6+DB 翼を形成する無数の歯車を飛ばして攻撃する。

<万象を握り潰す(99)> 回避に失敗した場合、対象一体を握り潰して即死させる。

<収束波動砲(99)> 1D999 作り上げた波動砲から波動エネルギーの奔流を放つ。

<拡散波動砲(99)> 1D999×人数分 作り上げた波動砲から波動エネルギーの奔流を拡散させて放つ。

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・ポラフォヒョルノ

 悪魔の如き蝙蝠を彷彿とさせる巨大な翼を持ち、樹木を変化させたような三本の足を持つ下半身と、大蛇の如き二本の腕、氷のように冷たく透明な筋骨隆々な男の上半身を組み合わせたような神。顔は雪の結晶を巨大化させたような仮面を付けたような形状になっている。

 オルヴストゥラの手によって残骸からクローンとして蘇った。どちらの味方をするかは決まっていない第三陣営。毎ターンランダムに自分以外に攻撃する。


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(エネミー)

ポラフォヒョルノ=クローン

HP:999(固定) MP:666

STR:220 CON:3200 SIZ:256 DEX:100 INT:100 POW:999 DB:+6D6 SAN:765 移動:15

弱点:無し

装甲:全ての攻撃に対して100ポイントの魔術的装甲がある。

備考:オルヴストゥラの手によって残骸からクローンとして蘇った『ポラフォヒョルノ』。

一ラウンド数の攻撃は一回。

攻撃方法:多種多様な攻撃方法を持つ。

保有技能:<近接戦闘(格闘)(99)> <回避(30)>

※ただし、特定の技能値ではなく<回避>以外は各種技に振られた技能値で判定する。

<極寒のスノウクラッシュ(99)> 1D100+DB +1D100で10以下の場合に凍傷の発生。何らかの処置を施さない場合、毎ターン確定で1D3のダメージを受ける。回避可能。敵一体に氷で創り出した棍棒で殴った後、猛吹雪を浴びせる。

<蛇神喰らい(99)> 1D60+DB 敵一体に腕の大蛇で喰らいつく。

<大樹の吸刺(99)> 回避に失敗した場合、ポラフォヒョルノの鋭い根によって刺し貫かれる。毎ターンステータスのどれかの数値が-100される。

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・クトゥルフ

 設定やステータスその他情報については『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』の『クトゥルフ(大いなるクトゥルフ)』を参照。どちらの味方をするかは決まっていない第三陣営。毎ターンランダムに自分以外に攻撃する。


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(エネミー)

クトゥルフ

HP:160 MP:42

STR:700 CON:550 SIZ:1052 DEX:105 INT:210 POW:210

一ラウンド数の攻撃は二回

※その他の能力に関しては『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』の『クトゥルフ』を参照。

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・クトゥグア

 設定やステータスその他情報については『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』の『クトゥグア』を参照。どちらの味方をするかは決まっていない第三陣営。毎ターンランダムに自分以外に攻撃する。


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(エネミー)

クトゥグア

HP:130 MP:42

STR:400 CON:600 SIZ:700 DEX:105 INT:105 POW:210 

一ラウンド数の攻撃は三回

※その他の能力に関しては『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』の『クトゥグア』を参照。

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・ハスター

 設定やステータスその他情報については『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』の『ハスター、名状し難きもの』を参照。どちらの味方をするかは決まっていない第三陣営。毎ターンランダムに自分以外に攻撃する。


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(エネミー)

ハスター

HP:150 MP:35

STR:600 CON:1000 SIZ:500 DEX:150 INT:75 POW:175

一ラウンド数の攻撃は三回

※その他の能力に関しては『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』の『ハスター』を参照。

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・ニャルラトテップ

 設定やステータスその他情報については『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』の『ニャルラトテップ』を参照。怪物の姿(『這い寄る混沌』の姿)で出現する。

 勝手に召喚した『大教授グランド・プロフェッサー』に苛立ちを覚えているのか、今回は全面的に探索者の味方をする。他の神々は全て討伐する必要があるのに対し、ニャルラトテップだけは戦闘終了後に人型の化身の姿となっていずこかへと姿を消す。


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(エネミー)

ニャルラトテップ、『這い寄る混沌』

HP:45 MP:13

STR:500 CON:300 SIZ:450 DEX:100 INT:430 POW:500

一ラウンド数の攻撃は二回。

※その他の能力に関しては『新クトゥルフ神話TRPGルールブック』の『ニャルラトテップ』を参照。

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