プロローグ
こぼれ落ちるような
二人の、男がいた。
男の一人は
対してもう一人は燃えるような
「なんの用だ」と赤髪の青年は
「少しきみにお願いごとがあって来たんだよ。……どうか、彼を守ってほしいんだ」
睨まれた側の髪の長い男はというと、そんなことは一つも気にすることなくころりと
質問の一つひとつに髪の長い男が答えていくうちに、赤髪の青年の顔は
最後に一つ、髪の長い男が小さな
「これから、王国は大きく
「……それがお前のさいごの望みだというのなら受け取ろう。しかし、俺があいつを守るとは限らないぞ。俺は貴族たちには
「受け取ってくれるだけでも、もちろん構わないさ」
髪の長い男は口元をほころばせながら
小さな布袋を赤髪の青年の手のひらの上にのせると、しゃらりと中身がこすれるような音が
「……これは、希望の種だからね」
赤髪の青年が去り、ただの一人きりとなったときに、髪の長い男はぽつりと小さく
そして、ゆっくりと
どうか幸せな結果が待ち受けていますように。
これから
暖かな春が、やってきますようにと。
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