何も伝えたくない四行詩
伊藤ゆうき
第1話
何も伝えたくない四行詩
真夏の空の下、割れたペットボトル
朝に落ちている、パーティの香り
運動会のあとのきれいな靴
明日は晴れ。だから何?
津波にはハープ奏者が立ち向かう
歓喜の声が包む敗北者
エルフが言った哲学は隣のおばさんと同じこと
この世は何なの?
ハレルヤ。
君にボブの歌を聞かせてあげる。
とびっきり気持ちが良いだろう
でも、7つの矛盾に気を付けて
核爆弾の管理者の優しさ
王様が見たガンジス川
マイケルの孤独は誰も知り得ない
それなら明日は雨。分かるでしょ?
アリが憧れた入道雲にはいつでも恋人が居る
雪にも都合があるんだから、今降るよ。
風任せ
知らないものは知らない
私に欲張らない事を教えてよ
優しさに似た暴力
暴力に似た優しさ
マジックのタネを明かしてくれ
そして私をまだ夢の中で居させて
流れ星はあの木の下
冬にシャボン玉は見えない。
うまく言おうか、
さよならは言わないで
あの夜に聴いたブラックミュージックは悲しい
あんなに陽気な場所で聞いたって分かるよ
あの曲はあの場で踊っていたみんなの声
DJ早くその素敵な曲を止めてくれよ
見たいものは今日も見えないんだ
明日になれば見えるの?
いいやそうじゃない。
僕が見たいものは目に見えない。
欲しいものはないの。
モノじゃないの。
じゃあ何?
青い心で、赤い熱を帯びた、黄色い雰囲気。いつでも。
あなたは百回生まれ変わっても分からない。
一生懸命に生きない人を馬鹿にした。
その人すら一生懸命であるのに。
生きることは、死んでないってこと。一生懸命なこと。
※ごめん違う、あなたも一生懸命で、隠れた僕も一生懸命だ。
ねえ聞いて。
僕は優しいと思って居た。
それは一瞬で崩壊する。
僕が僕で居られるときだけ、僕は優しい。
築いてきたものが崩壊しました。
崩壊した後、完璧だと思って居たものには良く見ると欠陥がありました。
悲しいです。だって完璧だったものがそうではなかったから。
また何かを築いていかないといけませんね。
時々、何もかも美しく見えるときがあるだろ?
何もかもとは全てのもの。
僕は、この前ドアノブが美しくてたまらなかった。
全てのものは、僕の中にある。
いつだって見たいものは見えない
見えないものが見たくて、でも見えなくて
でも見たいから動き出す
いつも動く理由は目に見えないものだ
晴れも曇りも分からない
僕達はいつも中立で、中立でいなきゃ不安で
隣の人を白けさせるほど熱くなりたくて
隣の人を怒らせるほど冷たくなりたい
いつかはみんな宇宙のチリになるのなら
もう今からどうだっていいの
明日飛び起きて働こうが、起きてそのまま死んだって
1億年後は変わらないだろうな
でも明日、それが分かっていても僕は飛び起きて仕事に行くんだろうな
ああ、僕はいつからかねじを巻かれたおもちゃになって、自動的に24時間を動き回る
寝ている間に中途半端にまかれたねじが時々きしみながら回って
一生懸命動き回る
ああ、ねじを巻いているのは誰かなんて教えないで
おもちゃは自分で動いていると思っている
明日もおもちゃの役目を全うしたいんだ
スカートの中の夢
夢を開けた次の日の憂鬱
手元に生まれたビー玉
昨日の自分に叱咤激励
寂しさと性欲は相性が悪い
寂しさを燃料とした性欲は事故る
事故ったあとの寂しさ。
何度振り出しに来ただろうか
僕を愛しているって?うそくせぇ。
バカタレ。ああ、愛を見つけた。
ディティールはまた今度。
またね。それで片付けよう。
何も信じなくて良いんでしょ
苦しい仕事終わりに飲んだぬるいテキーラ
隣の国で打ちあがったあれは花火なの?
また、朝が来る。それで全てを包んでくれ。
被害者は加害者
加害者は被害者
産まれてきてくれてありがとう
僕もあなたもみんなも
小学生が感じた疑問
ミスジャパンは10年経って普通の人になりました
アラブの金持ちから聴いた寂しいというつぶやき
山のてっぺんは寒いんだよ。
変な世界は正確という軸を守り回っている。
何も伝えたくない四行詩 伊藤ゆうき @tainohimono
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます