お嬢さま大戦!私に気品はいりません!「強さ」で一等賞を目指します!
@shakenohatsukoi
三度目の正直(トラックの方から見て)①
歩く歩く歩く。この日、とある歩道を歩く
だった。女子高入学前であるのも理由の一つだ。
彼女は全体で500名の学生がいる中学校で1000名の友達づくりを目標にぶち上げるバカというかアホでもあったがその目標を達成しようとする行動や
行動に匂いにおいがあるとしたならそれらが老若男女
あらゆる人々に好かれる理由だろう。
特に子供たちからは絶大な人気を得ていた。
例をあげれば彼女が公園ですべり台をすべろうとしたなら、同志美苗お姉ちゃんに続け!と言わんばかりに子供たちが後ろに続き、さながら美苗トレインがつくられた。
また彼女が子供たちと砂場で砂の城を作ろうとすれば公園中の子供たちが集まり
さながらサクラダ・ファミリア並みの人数で公共事業が展開された。
それでいて子供たちから見た時に彼女は「友達」でありながら
「頼れるお姉ちゃん」でもあるのだ。無意識でありながら子どもたちとの付き合い
の正解にたどり着ける美苗の巨木と柳が融合したような匂いがそれをさせた。
二つめの理由は全世界女子格闘技世界一大会の開催が迫っていたことだ。
二度世界をつける名前はあれだがこの大会はいたって真面目で無差別無年齢を
掲げる「強さ」を追い求める女性なら無視するわけにはいかない大会であった。
美苗も間違いなくその一人だ。
ショートヘアに褐色の肌……それはどうでもいいことだが、美苗には身長が
なかった。格闘技によっては身長は大きな勝利の要素だ。
しかし…だ。
仕方がない。止まらない。はちきれる。だって生まれてこのかた「強さ」を
追い求めたくてたまらないのだから。
理由はない。決してないだろう。美苗自身がそういうフラグというか
人生の転機がなかったのか、ちち様はは様に聞いたことがあるほどだ。
「ない!」「ないわよ!美苗はいくらなんでももっとじょ——」と答えが
かえってきた。ならば迷わず行こう。きっと私は強さを求める大いなる
「そうに決まっている!!」と美苗は心を強さの獲得に定めた日を
憶えている。
その日から美苗の格闘技のトレーニングは始まった。3歳の頃から外で遊び続ける
子供だったらしいが本格的なトレーニングを始めたのは7歳の頃だった。
格闘技といってもいろいろあるが美苗が「全部習いたい!!」とはは様に十は
あろう道場に通う許可をもらおうとしたとき、ちょっと強い平手打ちが頭を
おそった。
十の中から選んで2つ…‥空手と柔道に決まった。この時のもっと習いたいなあ
という美苗のため息と家計の心配をするはは様のため息が
重なったことを今も憶えている。
あとの格闘技は入門書本だったりジムの練習生のトレーニングを見たりした。
強くなるためには体の構造も知っておかないと、とちょっとした医学書も買って
調べたりしたことも…あった。本当にちょっとした×3くらいの本である。
そして今15歳になるこの日まで同年齢の女の子には負けなしだった。
才能はあったが自身の年齢以上の女の子に勝てる程の才能ではなかった。
普通それでも自分の才能に天狗になることは充分あり得ることだか美苗にはそれは
ない。逆に公園で子供たちと相撲対決になりわざと負けたとき、過去に自分と
戦って敗者になった人の気持ちに思いはせて少し涙ぐんたこともある。
「この気持ち忘れちゃいけないな」と子供たちに聞こえぬようつぶやいた。
とにかく世界大会はすぐに迫っていた。それでも緊張より上機嫌が
勝っていたのは美苗の好きな動物ナンバー1である猫をこの日何度も見まくり
だったからだ。
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