ミシッタカオ

じゃせんちゃん

深夜の訪問者

1

あぁ、今日も疲れた。

深夜のコンビニアルバイトを終えて帰宅した俺はとても疲れていた。

安い時給でこき使いやがってふざけんな。

簡単にシャワーを浴びて直ぐにベッドに倒れ込む。


あぁ、どうして俺の人生こんなふうになってしまったのだろう。

半年前まではちゃんとした会社に勤めて、同棲していた彼女も居たのに。

今じゃ毎日深夜までバイトして誰も居ないボロいアパートに帰って寝るだけ。

そんな事を考えながら直ぐに意識は薄れていき眠りにつく。



トントントン



誰かがドアをノックする音で目が覚めた。

時計を見ると帰宅してから1時間も経っていない、せっかく寝ていたのにこんな時間に誰なんだ?

ドアに付いている覗き穴から外を見る。


そこに立って居たのは若い男。


誰だコイツは?いや待てよコイツの顔を知っている。

今日バイト中に弁当を買ったのに割り箸が入っていないとクレームをつけて来た客だ。


「すみません、あなたに謝りたくて、ドアを開けてくれませんか?」


わざわざそんな事でやって来たのか?

何かがおかしい、そもそもどうして俺の住んでるアパートを知っている?

気味が悪い、相手をしないで帰ってもらおう。


「気にして無いので結構です、帰ってください」


そう伝えるとしばらくしてドアの外から遠ざかって行く足音が聞こえた。

何だったんだ?とにかく疲れているし寝よう。

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