××女子大学生殺人事件

村田鉄則

第1話 合宿の始まりとメンバー紹介

「良い湯だな~ハマタク」

 容姿端麗、眉目秀麗、という言葉をまさに表したかのように顔の整った男が俺に話しかけてきた。彼は俺の所属する自主映画制作サークルの会長で名を細山ほそやま 良々よしよしと言う。

 細山は、京都の○○〇大学に所属している大学2回生で半年前サークルを作った。

 サークル名は『MFM映画研究部』だ。MFMは、Most Favorite Movieの略で、自分の趣味嗜好に乗っ取った最高の映画を作るサークルを目指すという意志を込めて付けたらしい。SNS上で募集をかけてサークル員を集めたため、関西の大学生という共通点はあるもののほとんどの人間の大学は違う。

 俺こと濱元はまもと 拓哉たくやも、細山と大学が違う。大学1回生で、大阪にある××大学に通っている。××大学にも自主映画制作サークルはあり、4月から少しの間所属していたものの、サークルの会長と反りが合わず辞め、同じ大学というしがらみが無いこのサークルに入った。俺の担当は今のところ撮影だ。高校時代、写真部に入っていて、今でもカメラが趣味だったので抜擢された。

 細山と俺は今、ホテルの大浴場の湯に入っている。サークル員が5人になり、先日、映画を漸く1本撮り、動画サイトにアップし、高評価を得られた記念に山奥のホテルにて合宿を開いたのだった。

 サークル員は女性が多く、しかも、揃いも揃って美人ぞろいで、彼女いない歴=年齢の俺は映画撮影でいきなり話しかけられたとき、女性陣の誰に対してもドギマギしたものだ。

 女性陣を紹介しよう。

 京都にある○○女子大学に通う、大学2回生、早上はやかみ 幸奈ゆきな。女優志望。黒髪ロングで高身長かつ、モデルのようにナイスバディだ。顔も整いに整っている。二重まぶたがくっきりとあり、まつ毛が長い。

 大阪にある××女子大学に通う、大学1回生、下北沢しもきたざわ 冷夏れいか。彼女も女優志望だ。早上と違って身長は平均的である。髪型は茶髪にセミロングで髪先にウェーブがかかっている、鼻筋の通った顔立ちにどこかあどけなさを残した目がちょうど良い感じに混ざり合っている。サークルの第一回作品は百合映画だったのだが、早上との恋愛シーンを見事に演じていた。

 最後は、大阪にある××女子大学に通う、大学1回生、山川やまかわ 卑弥子ひみこ。元々音響に興味があり、音声を担当している。下北沢とは同じ大学に通っており、親友だ。下北沢に誘われてサークルに入ったらしい。身長は少し平均より低く、髪型は黒髪ボブカット。目が大きく切れ長で少しボーイッシュな雰囲気を纏っている。少し人見知りで下北沢の後ろに隠れていることが多い。

 

 皆、別々のタイプの美人揃いで、正直サークルに参加した日は眼福このうえない。

 そんな彼女たちと1つ屋根の下で寝泊まりできるのか…と気持ちの悪い考えを浮かべる俺だった。

 ああ…勿論、男女の部屋は別だよ!!

 早上以外は2人1部屋だ。

 俺はこのイケメン、細山と同じ部屋である。言い忘れていたが、細山は監督をやっている。まあ、サークルの人数が少ないので、タイムキーパーや照明も細山が兼任してやっているのだが。


 そんなわけで、楽しい合宿は始まったばかりだ!!

 

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