奇行以上、疾患未満

第1話

奇行以上。

いや、なんだ。別に孤児だとか毒親に育てられているというわけではない。

ただ、少しだけ不幸な。今では"普通"なんて言われるようになった家庭で育っているだけ。

母子家庭だ。母子家庭。母と私で二人三脚。

私が生まれてすぐ、母と父は離婚したらしい。昔は定期的に会っていたが、養育費を払ってくれなくなってからは会っていない。

母は私に「アイツはあんたの事愛してないって事だからね」と言った。

愛してくれない父親なんていらない。

いじめも受けた。私が悪かった。

きっと、どんな人とも頑張れば仲良くできる……なんて甘い考えを抱いていた私が、彼が機嫌を損ねるような事を言ったのだろう。

手のひらをガスバーナーで炙られたあの授業での出来事は今では愉快な昔話だ。彼のお陰で定期的に腹を下す病気を患ったのは今でも笑って流す事はできないが。トイレだけに。

疾患未満。

受験生の夏休み、塾に通った。

自分のせいだった。頭が悪い私のせい。

個別指導だったのに、周りの受験生と講師の声を全て拾ってしまった私は勝手に病んだ。結果、薬が増えた。対人恐怖症らしい。

薬について調べた。

服薬後4時間後にピークを迎える薬を、なぜか寝る前に飲んでいることが判明した。

医師には言えない。この薬が本当に私にあっているのかどうか…なんて。

だって、対人恐怖症なんだもん。

そんな女がぴーぴーわーわー騒ぎ、一丁前の大人のふりをしながら書く自分の気持ち。

青春の痛みを再びあなたにプレゼントします。