この奇跡が溢れる空の下で、君とまた出会えたら

いよいよ、新しい職場に行くことになった。

まさか私が、新教室の立ち上げに関わらせてもらえるなんて驚きだった。

今までの実績や上司の推薦、そしてこれからお世話になる新しい上司の推薦もあり私に白羽の矢が立ったとのことだ。

新しい上司は私のことをどうやら知っているらしい。

誰だろう。

前の教室にいた時の上司かな、その前の教室の時の上司かな。

そんなわけないし。誰だかは想像がつかなかった。

「ピンポン」

エレベーターの音がなり、私の新しい職場に着いた。窓側のデスクに座って仕事をしている人を見て、私は声が出なかった。

フリーズして固まってしまった。

まさかと思い、もう一度見る。

さっきと同じ光景が広がっている。

ぼーっと見とれてると、その人は言った。

「ちょっと、何ぼーっとしてるの。えりかちゃん。」

懐かしい。

厳しいけど優しくて安心させてくれるあの声だ。

ここにりさちゃんがいるんだ。

10年経って、やっと会えたんだ。

私は涙が止まらなかった。

ボロボロ涙がこぼれ落ちてくる。安心感と、嬉しさが込み上げてきた。

しばらくして、落ち着くと我にかえり、焦って

「すみません。」と謝った。

「急に泣き出しちゃうから、びっくりしたよ〜まさかまだ私のこと怖いと思ってるのかなって心配になっちゃったよ笑」

そんなふうに言ってた。さすがにそれはないと思って、全否定した。そんなふうなところも変わらない。真面目で、しっかりしてて、仕事ぶりがかっこよくて、隙がない。なのに時々見せてくる意外とかわいい一面。相変わらずだな、って思うといろんなことを思い出した。


始めてあった時のこと。

好きになった時のこと。

学校頑張ってねって声をかけてくれたこと。

バレンタインで、チョコをあげた時のこと。

学校のことを相談した時のこと、

落ち込んでた時に励ましてくれたこと。

そして高校受験で第一志望に受かったと言った時に誰よりも喜んでくれたこと。


気づいたらあれから、10年。

りさちゃんみたいになりたくて、一緒に仕事がしたくて、ずっと頑張ってきた。

今日やっと夢が叶ったんだね。

これからは、上司と部下の関係になる。

今までとは違う関係になるんだと思うと、緊張してくる。でも、私はりさちゃんみたいになるって決めてるから。その背中を追いかけていって、いつか越えれるように頑張るね。

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