3話 バレンタイン

私にとって今年のバレンタインは前とは違うものになっていた。チョコをあげたいと思う人=本命ができたからだ。その人は異性ではなかった。同性の人だった。

「バレンタイン何にしようかな。ゴディバ?リンツ?コンビニチョコはやめた方がいいよね。」

2ヶ月悩んだ。初めてのことだった。そもそももらってくれるかもわからなかった。

「もらってくれるかな。断られたらどうしよう。そもそもりさちゃんチョコ嫌いだったらどうしよう。あげるのやめようかな」

色んな考えが浮かんで渦巻いて、2月を迎えた。

どうしてもあげたい、でも断られたらショックだな。

結局リンドールの詰め合わせにした。

そして運命の14日がやってきた。

「ちょっとおめかししよう。」

私にできる最大限のオシャレをした。

そして、、、

「これどうぞ。いつもありがとうございます!」


「これいいの?くれるの?ありがとう!!」

驚いたような表情をしていた。でも君はもらってくれたんだ。えりかが知らなかっただけで本当は優しいんだね。そんな優しいけどしっかりしていて頼りがいのある君にどんどん惹かれていく自分がいた。



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