「Sincerly of Life」
風月 結花里(ふづき ゆかり)
第1話 辛い過去
私は父が大嫌いだった。いつも酒を飲んでは母を殴り、私達姉妹にも暴言を吐く。父は仕事が上手くいかず、父方の祖父母に経済面でも依存する生活。
小さい時から、父親に心理的虐待をうけ、母も父から DVやモラハラを受けていた。なんでこんな家に生まれたんだ私はと、ずっと僻(ひが)んでいた。
隣の庭は青いとはいうが、我が家は特殊過ぎて……。
性交渉も強制で避妊もせず、母は3人目の弟も妊娠し、出産することになる。妊娠中も繰り返される暴力、世間体ばかり気にする父方の祖父母は、離婚をよしとしなかった。祖父母は母を冷遇するし、とても冷たくて母の居場所なんて、どこにもなかった。
父方の祖父母は私達孫をとても可愛がってくれたが、私が耐えきれなくなってある日、
「お父さんとお母さんを離婚させて。」
と祖父に相談することがあった。
「離婚は誰も幸せになれないから、やめておきなさい。」と世間体を気にして、言われそれ以来、祖父母のことは信じられなくなった。
私は母についていき家出を繰り返し、結果高校を留年することになった。それを理由に、私を留年させたからと一方的な理由をつけて一切の親権は与えず面会も認めず、一方的に離婚が成立して、母は身一つで投げ出される。
母方の祖父母はとても優しくて、私達の思いを汲んでいつも励ましてくれた。父に内緒で母のいる母方の実家によく行くようになった。
私は留年したので同級生だった友人が卒業するのを見送ることになる。 学年が1つ下の友人にも恵まれて、友人達との関係も良好なのがせめてもの救いだった。
私は高校入学4年目にやっと高校3年生になり、卒業を控えて、妹と一緒に実家を出る決意をする。もう父方の姓を名乗るのも嫌で、まだ幼い弟も連れて母方の実家に行きたかったが、父が初めて生まれた男の子である弟は絶対に渡さないと言い張り、まだ幼い弟を父方に残すのは後ろ髪を引かれるほど後悔したが……、いつか再会できると信じて弟を父方に残して、家庭裁判所で手続きを済ませて、母方の姓を名乗り親権を母に移した。
これから話すことは私自身の実体験でもあり、長い物語になると思うが、少しずつ明かしたいと思う。
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