透と恵弘は馬鹿みたいな話がしたい
朝日 透
第1話「国語」
ここは、私立朝日中央中学校。計600名もの中学生が通っている学び舎である。
ここの中学にいる人はかなりの個性を持っていることで有名だ。例えば、
「絵にかいたような優秀な人」だったり、「実技教科だけは右に出る人がいない」だったり、多種多様である。今はいい面だけを挙げてきたが、もちろん悪い面を持っている人だっている......
1-6組...ここには個性の振り幅が広い生徒がいっぱいいる。「絵が実写のようにうまい」みたいな単純にいい個性の人もいれば、「こじらせた厨二病」というはなから見たら悪印象を持たれてしまうような個性を持っている人もいる。
とにかくこのクラスは、どこのクラスよりも「個性的な」集まりである。
そんな中、こんなクラスの台風の目になっている人物が二人いる。
「マシンガントーカー」の透(とおる)と、「人に好かれやすい」という個性の
恵弘(えひろ)だ。二人は親友で、いつだろうが、どこだろうが、どんなことが起きようが、ずっと喋っている。雨だろうが、一番嫌いな教科の時間だろうが、先生に怒られてようが、くだらない会話でずっと喋っている。そんな二人のくだらない会話を聞いてみよう。
今日の会話は、「国語」の時間。ちょうど、漢字のテスト返しが始まり、恵弘のテストが返されたところだ、
「なあなあ恵弘?耳貸せよ」
「なんだ?」
「
と小声でしゃべる透
「は?そんなん見せるわけねぇだろ。しかも勉強してねえんだよ」
「わかるだろ?うちにこれを見せたら賢いってアピールできんだぜ?それかなんだ?まさか
「わかったよ!見せればいいんだろ!?見せれば!」
と声を荒げる恵弘
そして、先生が折ったテストを点数を隠しながらしぶしぶ広げ、隠していた点数を
ゆっくり見せた。
何と点数は.........
.....85点だ。1問5点のテストで、3問間違えた。たったの3問だけだ。
「85点って....お前勉強してないなんてよく言えたな!!!」
透が声を張っていった。
「お前いうなよ!?透アホなの??」
「授業中です。」
先生が一喝入れた。
「恵弘聞いた?「授業中です。」だってさ!先生もカッコつけたいんだな」
と笑い吹き出しそうに言った。
「おいちょっとは控えろよ....」
「透さん?テストとってください。後方の人が待っているんです」
「はいはーい」
透はあきれたように返事をした。
「うちのために待ってくれてありがとー」
「先生のお尋ね者が通りますよー」
なんて口からこぼしながらテストを取った。
「やっぱりね?勉強してないやつはこの点数じゃなきゃ。」
と40点のテストを恵弘に堂々と見せつけていた。しかもあってる問題は読みを書く問題だけだった。でも透は鼻息を鳴らし、胸を張って恵弘に自慢するかのように見せていた。
「どうだよ、これが勉強してないやつの点数だよなにが「べんきょうしてねぇんだわぁ」だよ恵弘」
先生から殺気が立ち昇ってきた。
「ちょっと落ち着けよほら、謝るからさ、」
「あー聞こえないねー 恵弘が何言ってんのかが聞こえませーん」
「透さん?」
先生の殺気が透に一直線に向かっていた
「せんせーい、恵弘さんの声が聞こえないんですよー」
教室中に広がる緊張感と笑いをこらえている声
「ちょっと来てください」
........
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