第6話 レベリング
目が覚めるとステータスが凄い事になっていた。
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《名前》 小日向 悠
《レベル》 125
《種族》 人間
《生命力》 4750
《魔力》 4500
《攻撃力》 2250
《防御力》 2150
《魔法攻撃力》 2100
《魔法防御力》 2050
《俊敏》 2200
《知力》 2300
《スキル》 無能
《魔術》
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魔術は続きがあって、数十の魔法を覚えているようだった。
「あいつ一体レベルいくらだったんだ?」
いきなりレベル100を超えるなんて、相当高いレベルなんだろう。
この世界はもしかしてレベルインフレみたいな状態になっているのかもしれない。
たまにレベル数千だとかのゲームを聞くことがある。
それにしても初回のたった1回の戦闘でレベル100超えはやりすぎのように思う。
「ゲームだったら、ゲームデザイン崩壊してんじゃないかなこれ」
ポツリと呟いた後、横穴の出口を慎重に確認してから這い出る。
無能スキルは、相当使えるらしい。
先手さえ取れればかなり強力な敵であっても勝てそうだ。
注意すべきは複数体を相手にするときと、慌ててパニックに陥らないようにすることだろう。
敵を先に見つけさえすれればかなり優位に戦える。
「そういえば、感知魔法とかなかったかな……」
俺は習得した魔術リストから探す。
「……
詳細説明を確認する。
『魔力感知(マナセンス)は全ての生物や物体が発する微小な魔力をキャッチして、その存在や位置を感知する魔法。人間、動物、魔物はもちろん、魔法がかけられたアイテムや場所の魔力も察知可能。隠れている敵や魔法の罠を見つけ出すのに役立つ』
「これだ!」
早速魔法を発動する。
そうすると自分を中心に波紋のように意識が広がっていくのを感じる。
「……ん」
早速、100メートル先くらいに何かしらの存在を感知した。
熱も感じるのでおそらく生物だろう。
感知の波紋が伸び切るのを感じる。
500メートルくらいの直径はあるだろうか。
これが大きいのかどうかはわからない。
だが、あまりに範囲が広すぎても今度は俺への認知の負担が強そうだ。
感知はレーダーのように今も継続している。
俺は早速感知した生物の方向へと歩みを進める。
魔物を盗み見る。
さっきの魔物とは違い、大柄の黒犬のように見えた。一匹だが首は二つある。
そういえば魔法リストにステータスとかを確認できる魔法はなかっただろうか?
また魔法リストを探すと、
ずばりで、探りたい対象のレベルやステータスなどが確認できる魔法のようだった。
早速、魔法を発動する。
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《名前》 ヘルバウンド
《レベル》 505
《種族》 魔狼
《生命力》 15730
《魔力》 9934
《攻撃力》 8279
《防御力》 7948
《魔法攻撃力》 7451
《魔法防御力》 7616
《俊敏》 8610
《知力》 4967
《スキル》
《魔術》
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「レベル505!? あっ、やべ」
驚いて大きい声を出してしまい、すぐに隠れる。
その後、そーっと魔物を再度覗いてみる。
どうやらまだこちらの存在は気づかれてないらしい。
いきなりレベル3倍以上だ。というか300レベル以上も離れてる。
300レベルも離れてたら通常のゲームだと、まるっきり相手にならないはずだ。
「なんなんだよこのダンジョンは一体」
最初に戦ったあいつもそれくらいのレベルがあったということだろうか?
おそらくそうだろう。ならレベルが1から一気に100超えも納得がいく。
そういえば無能って距離制限ってあるのだろうか?
確か念じた範囲が無になるってことだけど。
俺はそーっと手をかざし、双頭のヘルバウンドの頭二つに向かって無を念じる。
すると頭部は消失し、首元から血が噴き出したヘルバウンドが地に崩れ落ちる。
いけた。目に見える範囲、認識できる範囲ということだろうか。
その瞬間、再びレベルアップ音が頭の中で響きはじめた。
『レベルが125から126へ上がりました』
『レベルが126から127へ上がりました』
『レベルが127から128へ上がりました。魔法、
『レベルが128から129へ上がりました』
レベルアップはまだまだ続きそうだ。
俺は絶命したヘルバウンドに近づく。
首から流れ出る鮮血によって血溜まりができていた。
今の俺にはこの強力な魔物が最早経験値にしか見えなかった。
この調子でいけばレベルを着実に上げることができるだろう。
『……レベルが186から187へ上がりました。』
レベルアップ通知はそこまでで、途切れる。
ステータスを確認する。
各値は元値より大きく向上しており、いくつかの魔法も新たに習得していた。
「よし、この調子でどんどんレベル上げていこう!」
俺は新たな獲物を求めて、ダンジョンの奥深くへとさらに歩みを進めた。
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