『プラネタリウム』(講談社文庫)梨屋 アリエ【★★】

 これはなかなか難しい本だ。

 一見、稚拙な文章と意味不明な言動と能力に惑わされるが、意外とテーマに沿って深読みする事も出来る。

 私は、解説に書かれていた事よりも、むしろ「本来の夜空」を映し出す「プラネタリウム」が「偽物」である事こそ、この本に出てくる主人公たちの心情を表しているのではないかと思う。

 ただ、最後の「森を照らす月となる」という箇所だが、月は太陽の光を反射して光っているだけで己が光っているわけではない、突っ込みたい。

 でも、軽い気持ちでふと手に取って読んでみた本だけれど、意外と奥深い一冊でした。

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