『八咫烏シリーズ』(文春文庫)阿部 智里【★★★】

 <『玉依姫』 八咫烏シリーズ5>

 面白かった。

 確かに荒削りで他の作品と比べてミステリー色が薄いけど、話の筋は通っているし、盛り上がり部分も申し分ないし、日本の神話をうまく取り入れた文化色の強い作品だと思います。

 何より、志帆と椿のお互いを想い合う気持ちが愛しくて可愛い。

 空色勾玉シリーズほどの貫禄はさすがにないけれど、ライトな日本神話ファンタジーといった感じでしょうか。

 さて、記憶を取り戻した奈月彦と山内のこれからがどうなっていくのか、最終巻をハードで買うか、文庫を待つか悩む。


 <『弥栄の烏』 八咫烏シリーズ6>

 文庫発売日に購入したのに読み終わってしまうのが嫌で読了するのが今日になりました。でも、第2部が開始するんですね。よかった。この世界観が大好きで、この作者の書く文章が中毒になるほど大好きです。玉依姫命からしばらく経っていたので思い出しながら読みました。对になる話なんですね。第1作めと同じ。もう一度読み直したい。今回はかなり小説の暗黙の了解をぶち壊す展開でしたが最近の傾向的になありなのかなあ。ユキヤの心理描写が足りない気もしますが........次作に期待。山内よ、弥栄なれ!

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