今、恋してる真っ最中。

那須茄子

ハイチュウ

 今、恋してる真っ最中。


 こんなこと云うのは、恥ずかしいけれど。

 甘ったるいハイチュウみたいな初恋だ。


 はにかむ君の笑顔が、溶けだした炭酸になって、記憶に溺れてく。


 しっかり覚えておく為にも、いつかの日の為にも。


 なにもかも君のことで一般だった。他の楽しかった事が、嘘なんじゃないかと思えるほど大切なんだ。


 その綺麗な白い肌を、これからも夢見続けれるだろうか?

 


 恋をしていた。

 恋をしていた。



 恋をしていたはずだった。


 消えていく。

 去っていく。 


 眠りに閉じた中で、君は何を想い出しているの。 



 今、恋してる真っ最中。 

 

 君はずっと寝たきりだけどね。


 こんなこと云うのは、恥ずかしいけれど。

 甘ったるいハイチュウみたいな初恋だ。 


 まだ元気だった頃の君が、はにかみながら 

よく食べてたね。


 早くまた何でもない風に笑い合ってくれよ。一人じゃあまりに寂しすぎるからさ。


 ねぇ、お願いだからどうか。 

 言えないままの言葉ぐらい、交わさせて。

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