人類収束の世界

赤穂

0話 世界の崩壊

2020年代になると、新型ウイルスが起き始め、戦争も起こり始め、世界はパニック状態になった。またこの頃から二酸化炭素も急速に増え始め、国際連合では地球温暖化ではなく、地球沸騰化になったと言われた。2021年になると国際連合は非常事態宣言をし、全ての国に二酸化炭素の排出量を2%以内にすることを忠告した。しかしそれを従った国は約二割だった。さらに二酸化炭素が増え始め、各国に自然災害が多発し、海水面の上昇、農業、漁業、伝染病、食糧が多く減るなど大きな国際問題となった。2023年には国際連合が従っていない国に警告をした。しかし警告された国の中に核兵器を使った事件が発生し、国連は軍隊を緊急出動した。戦争が増え続け、2024年になる。この年はギリギリの状態であり、一つでも間違った事をすれば人類が消滅になってしまうという状態であった。その後、とんでもない事が起こり、世界が崩壊した。これは世界が崩壊するまでの話である。


大阪の街中を歩く男がいた。京橋 綾斗だ。綾斗は春希の祖父であり、この時は24歳であった。綾斗は建物の大きなモニターを見て、不安そうな顔をしていた。下の右側からテロップが動いており、そのテロップは「世界各国で戦争・紛争が多発 日本にも影響が……」と書かれていた。映像は戦争の映像になり、それを見た綾斗はこう言った。


「この世界、1年後に経ったら終わるだろうな……」


自宅に着くと、彼女がいた。

「おかえり!綾斗くん!」

「くん付けはやめてくださいよ。先輩……」

彼女は天野 李多という名前で、のちに綾斗と結婚する人である。天野は綾斗より一つ年上であり、敬語しなくてもいいよと言われてるものの、綾斗は敬語をしている。「もう!また敬語使っている!」

「別にいいじゃないですか。」

ま、いっかと李多は言い、リビングの方へと行った。革靴を脱ぎ、綾斗もリビングの方に行った。机にはさんまと味噌汁、ごはんがあり、作ってくれたのは李多だった。

「今日は特別においしい料理にしたよ。」

「美味そう!早く食べましょう!」

うんと李多は言い、二人とも椅子に座った。いただきますと同時に言い、食べ始めた。すると綾斗は笑顔な顔で

「おいしいです!こんなさんまは初めてです。」

李多はドヤ顔をしていた。そして徐々に早く食べる綾斗。喉詰まるなよと少し笑いながら言った。

「今日は仕事大変だった?」

「うーん…別に大変ではないですよ。今日も原子力も安定してましたし。」

そっかと李多は言った。実は彼、大手電力会社の社員であり、原子力の監視をしている。

「そっちはどうですか?」

「私も大変ではなかったよ。逆に仕事楽しいし。」

すると李多は綾斗の顔を見て、綾斗の肌にご飯粒が付いたので、左手でご飯粒を取った。

「あ、ありがとう、ございます……」

綾斗は少し赤くなった。

「照れてる。」

世界が暗くても、この自宅だけは幸せな日々だった。


翌日


作業服を着ており、仕事に行く時に李多が玄関に来てくれた。

「仕事頑張って!」

「うん。行ってきます。」

「行ってらっしゃい!」

綾斗は家を出て行き、堺の海沿いの原子力の所に行った。建物に入る時、誰かがあいさつをした。

「おはようございます!先輩!」

元気な声であいさつしているのは泊 津久見だ。彼は真面目であり、綾斗と二つ年下だ。

「おはよう。今日も元気いいな。」

「先輩も明るい顔しましょう!明るくしたら、世界が変わりますよ!」

そうだなと綾斗は微笑みながら言った。だが綾斗はこう思った。


明るくしても、この世界は手遅れだ。


正午


「今日も異常なし。」

約4時間の監視の仕事が終わり、ここで休憩が入る。綾斗はカバンの中から李多が作った弁当を出し、食べようとした。しかし、泊が綾斗の方に行き、困った顔をした。

「先輩。1週間前から預かったシアン化ナトリウムの件ですが…」

「どうした?なんかあったのか?」

「それが、数が合わなくて…」

は?と綾斗は言った。急いで保管された場所に行き、シアン化ナトリウムの個数を確認した。

「本当だな…1箱だけ消えている……」

本来預かってる箱数は10箱だが、1箱が消えるという事態が起きた。すぐに上司に報告したが、彼はこう言う。

「あれ、1箱返したんだよ。」

「そうなんですか?」

うんと上司はうなずきながら言った。彼は谷岡 相馬であり、綾斗の上司である。綾斗と泊はほっとしていた。

「よかった…」

「君たちに言う時間がなくて、申し訳ないよ。次からワイも気を付けるよ。」

その後5時間監視を続け、ようやく仕事が終わった。ここから出る時、ある男から声にかけられる。

「よ!京橋!」

「お、太田じゃん!」

その人は太田 合志という人で、綾斗の親友である。

「ちょっと外で話そうぜ。」

「あ、うん。別にいいけど…」

二人は原子力から少し離れた海沿いの公園に行った。とは言ってもここは工業地区のため、ここには誰一人もいない。自動販売機でコーヒーを買う太田。綾斗は夕焼けを見て、ぼーっと眺めていた。太田は綾斗のところに近づき、綾斗の肌に温かい缶コーヒーを当てた。

「ほら、飲みな。」

「うん。ありがとうな。」

二人は同時に缶コーヒーを飲んだ。一口飲んだ後、太田が言う。

「実は明日、この会社から辞めるんだ。」

「え、どうして…ここはいい仕事なところなのに、なんで辞めるの?」

「実はあんまり合わなくて……」

そうかと綾斗は少し低めの声で言った。

「とは言っても、まだお金あるし。生活はまだ維持できるよ。」

「お前お金持ちなんだよな。」

「まあな!俺はまだ1000万もあるしな!」

二人とも微笑み出した。太陽が沈む時、太田はこんな事を言う。

「なあ京橋。今世界がとんでもない状況になってるけどさ、もし明日世界が崩壊したら、お前は何するの?」

「なんだよその質問。今日お前らしくないぞ。なんかあったのか?」

「なにもないよ。ただ、もういつ崩壊するのか分からない状態だし、その時お前は何をするのかなと思って。」

「そりゃ、まあ…でも先輩と一生いたいし、俺がするのはそれだけかな…」

「お前先輩好きだな。」

お前こそなにするのと太田の顔を見て綾斗は言った。

「俺は、SF見たいな世界にする。」

「お前、非現実的なこと考えるなあ。」

「いつかしたかったんだ。SF見たいな世界を…」

「お前がしたいなら、いいと思うよ。」

綾斗は太陽が沈んだ後に言った。


「世界が崩壊したら、世界の人らは自由だよ。」


1時間後、家に着き、部屋に入った後ただいまと綾斗は言う。すると李多がこちらに来た。

「おかえり!」

うんと綾斗は言う。リビングに行きテレビのリモコンに電源を付け、ニュースの映像が流れる。

「最近、日本はやばい状態らしいね。いつか戦争とか来るんじゃない?」

「4年前からやばい状態ですよ。もう世界が終わる日が近づいてるじゃないんすか。」

まあ、そうね。と李多は言った。日本は中国と対立状態であり、いつか戦争するんじゃないかと世間ではざわついている。もう明日が世界が終わるんじゃないかと綾斗はそう思った。李多は食事の準備をし、ドリアを持って行った。

「今日は君が大好きなドリアだよ!」

「うおおお!美味しそう!」

右手でスプーンを持ち、食べ始める。

「え!これ、めっちゃ美味しいですよ!」

綾斗は大満足であり、こんな味は初めてだと綾斗はそう思った。

「よかった。これ、5時間くらいかけてできた料理だよ。」

「ご、5時間!?まじすか!?」

まじと李多は言った。

「今日はどうだった?」

「今日は少し大変だったよ。でもなんとか大丈夫ですよ。」

「あ、明日は私休みよ。」

「え、そうなんですか。」

「有給取ったから。君は確か昼前に終わるんだよね。」

「うん。そうだけど…」

「海沿いに行こう。」

「いいですよ。」

その後綾斗は嬉しそうながら食べていた。このまま幸せな日が続いたらなとおもっていた。


しかし現実はそういかなかった。この世界は嘘ついた最初の人のせいで、世界はゴミになった。


「行ってきます!」

「いってらっしゃい!」

今日もいつものように原子力に行った。監視も異常がなく、いつも状態だった。そして今日は預かっていたシアン化ナトリウムを返す日である。保管している場所に行こうとする綾斗。だがそこにはなにもなかった。


は?


数秒間、動けなかった。


「嘘だろ…」


すぐに谷岡に電話を掛ける。

「もしもし、どうした。なにかあったのか?」

「保管してたシアン化ナトリウムが消えました!」

「はあ!?嘘だろ!?」

「谷岡さん!防犯カメラを確認できますか?」

「分かった!調べるわ!」

谷岡はパソコンで開き、防犯カメラを調べた。映像にはシアン化ナトリウムを盗む人がいた。しかしその映ったのは、親友の太田だった。

「確認したけど、犯人は太田だった…」

「え…」

数分間、動けなくなった。あまりにもショックだったのか、身体ごと動かなかった。原子力の周辺を探す綾斗。綾斗は昨日行った公園に行き、太田を探していた。その同時に雪が降り始めた。必死に探す綾斗。しかし微かに臭いにおいがした。その匂いの方向に行く綾斗。しかしそこには太田がいた。右手にシアン化ナトリウムを持ち、左手にはペットボトルを持っており、中には紫色の液体が入っていた。

「やっと見つかったか。遅かったぞ綾斗。」

「何してんだ!お前!」

太田は笑った。

「もうこの世界は初めから終わってるんだよ。戦争が起こってる時点でこの世界はゴミなんだよ。結局人間は成長しない。」

「そんな訳ないよ。人間成長してなかったら、身長も伸びてないし、体重も…」

「違う。もう貴様らには分からないからもうやるわ。」

「おい。それやったら、世界が終わるよ…」

「僕が、僕が!世界を変えなきゃ!こんなクソゴミカス廃棄物の世界に、俺が!変えてみせる!」

太田はシアン化ナトリウムにペットボトルに入れ、色が変化した。綾斗はすぐ太田のところに走り行った。だがもう手遅れだった。太田は綾斗が走る前にペットボトルを海の方に投げ、マッチを着火し、ペットボトルに狙いながら投げた。


「やめろろろろろろろろろろろろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


「綾斗、ごめんな…」


投げたマッチはペットボトルに当て、大爆発した。煙は赤、黒、灰、緑、青色になっていた。それを見た綾斗はもう世界が終わったなと思い、煙をずっと見た。この爆発したせいで世界は変わってしまった。プリルスターという気体で、この気体は世界一危ない気体であった。爆発しても衝撃波だけで済むが、2年後になると、酸素を吸収し、世界中に酸素を吸収するというとんでもない気体だ。そのため、息が吸えなくなり、死亡する。


「ああ、この世界…終わったな。」


世界を変えてしまったのは太田、世界を崩壊させたのは太田だった。もう世界に救える方法はもうない。


その後、太田は逮捕され、判決なしで無期懲役になった。またこの爆発のせいで国連が動く事態になり、世界中が大パニック状態となった。爆発した事件から2日後には国連の緊急会議が開かれ、全各国に緊急事態宣言を発令した。しかし2年後が経つと酸素が吸収するのだが、国連が調査したところ、そのような事はなかった。これで世界の終わりは回避したのかと思いきや、2030年になると、酸素が急激に減少し酸素不足になり始めた。この2030年から2040年までの10年間で亡くなった人数は5000万になり、国連はこの世界から出る準備を全各国に伝えた。その2年後には、とうとう地球から出ていく人が増え始め、多くの人が火星、土星などに避難していた。だが数日後、火星などに出ていく燃料がとうとう無くなり、地球に出て行くことは出来なかった。2050年には世界の総人口数は10億人を切り、その5年後には1億人になってしまった。そして2070年は1000万、2080年は1万人、2090年には1000人、そして2100年は、数十人となってしまった。また火星や土星などに住んでいる人らは、どうなってるのか分からない状態になっている。


2100年


世界はほぼ誰もいない。どこへ行っても誰もいない。だがこの世界にまだ生き残っている人がいる。


その人は




京橋 春希という人だ。

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