第6話 スキャンダル
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警察署の中は涼しくクーラーが効いていたが、俺は身体中が痛かった。全身の筋肉が悲鳴をあげていた。蹴られた右の肋骨もかなり痛んだ。右手の小指の付け根がかなり腫れていた。右手拳は何箇所も切れて血が渇いていた。
何もない取調室の机に座り、事の始まりから、もう一度事情を聴取された。
「君はボクシングをやっているのか?」と聞かれあっけにとられたが、
「一度もやったことないです。」と答えた。
「目撃者の話だと、ファイティングポーズはかなりの熟練者に見えたらしいぞ」
「いや、テレビでは観ますが、自分でやったことはないです」
「嘘ついてもすぐにわかるぞ」
「嘘なんかついてません。家族や友達に聞いてみてください。そんな経験は一度もないです」
警官の猜疑走った目が気に食わなかったが、無視した。別の部屋で深田も事情聴取を受けている。こんな状況とは裏腹に俺の心は晴れていた。深田とニューヨークでの別れ際に「もしそいつが東京で前から歩いて来たら教えろよ。半殺しにしてやるから。じゃ東京で」と言った言葉が本当になった。約束は果たされた。そんな思いに胸を張る自分がいた。
なんで俺があの強そうな2人を伸せたのだろう。深田を守る力か。これも潜在意識のなせる技か。確かに中学時代の喧嘩のシーンがいくつか蘇っていた。そうだ、笹野がよくファイティングポーズをとっていたんだ。そんなことをぼーっと考えていると、警官が「歩いて帰れるか?」と聞いていた。
「身体中痛いけど、大丈夫です」と答えて立ち上がった。腰と肋骨が痛くて、また座ってしまった。その様子をみて警官が
「誰か迎えに来てくれる人はいるか?病院に行った方がいいぞ」と意外に優しく言ってくれた。
近いので、とりあえず帰ると伝え、タクシーを呼んでもらうことにした。ゆっくりと立ち上がり、殺風景な取調室から出た。
廊下のベンチに座っていた深田が駆け寄って来た。
「早瀬くん、大丈夫? ごめんね。ごめんね」と泣きながら腕をとった。俺がイテ~と声をあげると、さらに「大丈夫?ごめんなさい、ごめんなさい」と泣き出した。警官にタクシーが着いたら呼ぶからここに座ってなさいと言われ、深田に支えられて座った。
婦人警察官が紙コップの麦茶を出してくれた。喉が渇いていたことを思い出したように俺は一気に飲み干した。それを見て深田は自分の分もくれた。しばらく座っていると先ほどの担当の警察官が来て、
「また連絡が行くと思うけど、相手も自分から仕掛けてしまったと反省してるようなので、お互いの怪我の治療費の請求はなさそうだ。今後、公道でこのようなことのないように、気をつけるように。関係のない人を巻き込まなくて幸いだったな。」と言った。意外に事情聴取している時の感じではなく、あたたかい感じの人だと思った。
私服の女性が来て、タクシーが来たことを伝えてくれた。ゆっくり立ち上がり出口に向かうと、廊下の中ほどのトイレから、喧嘩の相手の深田を知らない男の方がタオルで顔を冷やしながら出てくると、俺たちの姿を見て近づいて来た。
深田は「ねぇ来たわよ」と怯えたが、「ここは警察署内だぞ、大丈夫だよ」と安心させた。
男は近づいてくると「いや、申し訳ない。喧嘩する相手を間違えたよ」と言って人懐っこく笑った。思ったより若く見えた。
「ボクサーにはとてもかなわない。それに、こっちがイチャモンつけたんだ。申し訳ない。あいつにもよく言っておく。あいつも調子に乗ってたから良い薬だ。自業自得。お嬢さんには2度と近づかせないよ。約束します。どうもすみませんでした」と最後は深田の顔を見て謝った。俺は何も言わず軽く会釈して外に向かった。
タクシーの中で「約束を守ったぞ」と言うと深田は何も言わずに俺の頰にキスをした。
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マンションに着くと、水をたくさん飲んだ。横になるとよけいに体が痛むのでベッドをソファにしてもらい、背もたれに寄りかかって休んだ。深田がそうめんを茹でて2人で食べた。食べ終わると寒気がしてだんだん熱が上がってきた。身体中が怠くて目も開けられなくなり呼吸も苦しかった。
深田は心配して誰かに電話をかけているようだった。
「わかりました。そうします」と言う声が聞こえたが、俺は眠りに落ちた。
深田はその日はほとんど寝ずに看病してくれた。朝方気がつくとソファに横になり眠っていた。トイレに行きたくなり、体をゆっくり起こすと昨夜ほどの身体中の痛みはなかったが、腰と肋が痛んだ。ゆっくりトイレまで歩いた。深田はテーブルに伏して眠っていた。 今日は会社に出て作業をする予定にしていたが、休むことにした。どうせ日曜日は誰も出社していないのだ。部屋に戻ると深田は起きていた。
「おはよう。どう 寝られた? 呼吸が苦しそうだったよ。呼吸が止まったらどうしようと思っちゃった。」そう言ってソファの隣に座った。
素顔の目が幼く感じた。しばらく俺の目をのぞいてから「ねぇ。昨日あの人達に言ったこと本当?」そう言った。俺はそのことがすぐにわかった。
「付き合ってて、恋人って言ったこと?」
「うん」
「俺はそう思ってる。それにあいつを思い切りぶん殴る機会が来ることも願ってた」
また過去が一つ変わった。つまらないことだけど、中学時代に前田と喧嘩して負けた悔しい俺は消えていた。深田の前ではいつも強い自分でありたいという潜在意識が俺の運動能力を引き出したのだ。
「もう私には十分よ。昨日で嫌な過去が消えた気がするわ。ありがとう。でも、もう2度と喧嘩はしないでね。新しい約束」右手の小指を差し出した。「多分突き指してる」と言って俺は右手を見せた。
「10時に病院を予約してあるから」
「どこの?今日は日曜だぞ」
「うちの航空会社の関係の病院でわりと近くにあるの。頼んでもらったら診察してくれるって」
「さすがビッグコーポレーション。すごいね。その前にお腹が空いた」
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肋2箇所にヒビが入っていた。小指は突き指をしていた。しかしその怪我を楽しむように深田と数日を過ごした。お互い可能な限り仕事を休んだ。
「このままずっと休んでいられたらいいなぁ。」と前の俺なら絶対に言わない弱音を言えた。
「休めるならゆっくり休んで。私もあと2、3日はいられるから」
「あと2、3日だけ? もっといて。じゃないと治らない」とわがままも言えた。
上司の上原にも大げさに弱音を吐いた。
「相当酔ったんだなぁ。石段から転がり落ちるなんて。俺も飲ませた責任があるからなぁ。こっちはいいから、もう少し休め」と言ってくれた。
人生でこれほど素直に弱音を言えたことがあっただろうか。いつも弱さをカバーする強がりで生きてきたのだ。人生はアクションを起こすことで必ず何らかの発展があることを体験した。そして強く願うことでその願いを引き寄せている。深田との再会も、まさかの恋愛に発展したシナリオも、今回の大喧嘩の顛末も、潜在意識の中で願い続けていたことだ。
深田が今、目の前のキッチンで料理を作ってくれている。不思議な気がする。二ヶ月前には考えられなかったことだが、心の奥底ではずっと願っていたのかもしれない。
「この前、深田と会う前の日に俳優Kさんの事務所の社長兼マネージャーの天音さんに連れて行ってもらった店で聞いた、劇中で役者が歌った歌がすごかったんだよ。あのミュージカル『キャッツ』の中で歌う『メモリー』のような凄さ」
「えー凄い」
「その時は酔っていたけど、あれは人間の悲しみ、怒り、弱さ。それがなんていうか、渾然一体となって声になり、その声が歌い、人の心に刺さってくるっていうか。人の心にあるものを起こすっていうか。そうだよ俺は起きたんだよ」突然俺は確信した。
「俺は生まれ変わったんだよ。空港のトイレで」
「空港のトイレで?」深田は振り向き不思議そうな目で俺を見て、さらに「トイレで何かしたの?私に言えること?」俺は思わず笑った。
「何考えてんだよ。当たり前だろ。全部言えるよ。大体は飛行機の中で説明したけど、その原因はもちろん定かじゃない。ただ、ものすごく過去を変えたいと思ったんだ。情けない過去、悔しかった過去。それが全部深田と結びついてることなんだ」
「私と?」
「そう。だから俺は、その~、お前が好きだったから、全ての場面においてお前に良いところを見せたいと思ってた。それが全部裏目に出ていて、いつもカッコ悪いところばかり見せてきたんだ。それだけをいつもいつも後悔していた」
「私と会わない間も?」
「ずっとだよ」 深田は嬉しいけど切ないと言って俺に抱きついた。
「なんでもっと早く再会できなかったんだろう」そう言いながら俺の唇にキスをした。
そのことも俺は感じていた。多分俺たちは、いや俺には、成長する時間が必要だったのかもしれない。深田を守る強さが必要だったのかもしれない。
小さなテーブルに向かい合って深田が作ってくれたオムレツと野菜スープ、俺の好物のガーリックライスを2人で食べた。久しぶりにテレビをつけると、いったい何が専門なのかわからない人たちが、司会の漫才師が提示するテーマを茶化したり、毒舌混じりのトークをするたびに効果音的な笑い声が入り、場を盛り上げていた。俺は面白くなくて番組を変えた。どのチャンネルも同じようなものだった。
「そう言えば、女優のA、今度はRバンドのギターの人と不倫関係にあるらしいわよ。ネットのニュースで流れてた」と深田が言った。
「本当に? なんでそんなにギタリストがいいんだろうな。スキャンダルになってるの?」「たぶん。昼ワイドなんかじゃきっと取り上げられてるんじゃないかなぁ」とあまり関心がなさそうに深田はそう言いながら、冷たい麦茶を入れてくれた。
俺は4、5日前に会ったAにすでにそういう関係の人がいたのかと思い、驚いた。そのことを深田に言うと、
「昔から早瀬くんファンだったんでしょ。ヤキモチ?」
「まさか。女優は演技ができるから相手によって本気と演技の違いを分けるのかなぁ。相手にはそれがわかるのかなぁ」
「女優じゃなくても女は演技できるわよ」
俺は深田の言葉に驚いて一瞬きょとんとしてしまった。その顔を見て深田は「冗談です」と言って笑った。
あの日の食事会のAは普通の自然体に見えたし、あの店の歌で泣いていた目も、演技ではない気がした。Rバンドは過激な歌詞とパフォーマンスを売りにしている。Aとはあまりにもイメージ的には違いすぎる。カップルなんてどう繋がるかわかんないもんだと思った。
「俺たちはたから見たらどういうカップルに見えるのかなぁ。お似合い? それとも美女と野獣?」
「早瀬くんは野獣には見えない。けっこう正義の味方だから、美女とアンパンマン」
「なんだよそれ」
「じゃ美女とお猿は?」
「ふざけんなよ」深田の首と脇腹をくすぐり、「嘘です、ごめんなさい美男で~す」と言わせた。
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女優Aのスキャンダルの報道はエスカレートしていた。相手のRバンドのギターは奥さんとの離婚騒動にまで発展していた。
「早瀬、ちょっといいか?」上司の上原が久しぶりに出社した俺のデスクのそばに来て声をかけた。だいたいその場で大声で用件をいう上原にしては珍しいことだった。廊下に出ると
「今日の予定はどんな感じだ?」と真面目な顔で聞いてきた。
「今日は会場のレイアウト最終確認と、送られてきたKさんの古いポスターの修正をしますが。」
「それ明日にできないか? 社長にはまだ内緒だが、あまねーからSOSがきた。お前も一緒に来てくれ」
世間で騒がれていることとは無縁ではない気がした。Aのことに関係があると思った。
「わかりました。ほとんど自分だけの動きなので問題無いです。ただ明日からは会場打ち合わせなので、今日の作業は戻り次第やります」
「悪いな、ボードにはミラクルレコードと書いておけ、ちょっと寄るから。じゃ30分後に出る。よろしくな」
外に出てタクシーに乗ると白金に向かった。当然のごとくミラクルレコードには寄らなかった。
「さっきミラクルの郷ちゃんと電話で打ち合わせしといた」と言って上原はニヤリと笑った。
神社のそばの瀟洒な住宅街のマンションの前でタクシーを止めた。かなり豪華なマンションだった。エントランスドアの前にあるタッチパネルの暗証番号を押すとドアが開きエレベーターで7階に上がった。7階で降りると右の廊下を突き当たりまで歩いた。小さな門がありポーチに入り呼び鈴を押した。扉を開けたのは長居さんだった。
「上原さん、早瀬さんお忙しいところご足労願い大変申し訳ありません」
長居さんに案内されて奥の間に通された。あまねーと、やはり女性のような男性が話をしていた。
「あらっ上ちゃん、早瀬ちゃん悪いわね~忙しいのにお呼びだてしちゃって。こちら看護師の藤井ちゃん。Aは今寝てるの。こちらに座って」
居間の真ん中に低い大きなテーブルがあり、それを囲むように座り心地のいい、皮のソファがあった。
「結局遊ばれたのよあの子は。とにかくしばらく仕事にならないわね。あの騒動と、今度はあの顔」
「Aさん、顔どうかされたんですか?」と俺は思わず聞いてしまった。
「夕べ、ドクにやられたのよ。Aは押されて机にぶつけたっていうけど、完全に殴られてるよ、あれは。このままじゃ殺されちゃうよ。全く。」
「暴力ふるうんですか、あの人」
「あいつはおそらく病気だね。精神がいかれてる」
「Aさんは逃げて来たんですか?」
「いや、ドクは自分で傷つけておいて、血を見ると謝り出すんだよ。もうしないから、ごめんごめんって。Aはいつものように大丈夫だからと言って、あいつを落ち着かせて出て来たって。ただ今回の傷は大丈夫じゃないよ」そう言ってあまねーは大きくため息をついた。長居さんがコーヒーを運んで来てくれた。
「もう終わりにするんだろ? そいつとは?」珍しく腕組みをして黙り込んでいた上原が言った。みんな上原の顔を見た。
「当然そうさせるわよ。Aがなんて言ってももうそうさせるしかない」あまねーはきっぱりと言った。
「あんなことをされて、Aはまだ戻ろうなんて気があるんですか?」長居さんがソファではない丸椅子に腰掛けて言った。
「本当に女はバカだよね。Aは大バカ。此の期に及んであいつをかばうんだから。でももうたくさん。これでまだ懲りなければ会社辞めてもらうよ」いつものあまねーの逆言葉は一切でなかった。
「Rバンドの事務所の社長っていうのが、これまた評判が良くないんだよ。チンピラのような男だね。ただこっちは天下のKがいる会社だからね。オフィシャルには何も言ってこないだろうけど。上ちゃん、勘ちゃんにはまだ言わないでね。こんなことで勘ちゃんには迷惑かけられないよ」と言ってあまねーはコーヒーに口をつけた。
「うちの社長はいざという時、いつでも大丈夫ですよ」
「勘ちゃんは古いし、この世界じゃ顔が広いからね。おまけにあの怖い顔」あまねーがいかにも怖いって顔で言ったので、ここに来て初めてみんなが笑った。
「顔は怖いけど、優しくて人の頼みは嫌だと言えない人だから。普段はゴルフばっかりですけどね」と上原も和ませた。
「ゴルフとお酒で仕事取って来ちゃうんだからさすがね」
藤原勘助。俺の会社の社長だ。元大手プロダクションの制作プロデューサー。何人もの音楽アーティストを育て上げた。その後独立して今の音楽制作会社を設立した。色々な逸話があり、この音楽業界では一目置かれていた。ゴルフと酒と女に囲まれた生活。昭和を引きずり続けるたくましい男である。
あまねーがゆっくり立ち上がり隣のドアを開けて入って行った。すぐに出てきて
「上ちゃん、早瀬ちゃん入って」と2人を呼んでくれた。
広い洋室の中に6畳ほどの1段高い和室があり、そこに布団が引いてありAが眠っていた。髪が顔を隠していたが唇の横から頰にかけて青黒く腫れているのがわかった。
「額と目が凄いのよ」あまねーが声を落として言った。俺の中で悲しい感情とともに怒りが込み上げて来た。『悪魔やろう。許せねー』
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上原が付き合いのある幾つかの出版社には、このスキャンダルはこれ以上取り上げないでほしい旨を伝えた。テレビの報道番組にも、その局の上役などに働きけてみた。しかしこの手のスキャンダルニュースはほとぼりが冷めるのを待つしかないというのが答えだった。冷めてしまえば、あっけなく終わる。
その夜会社で1人、昼間やる予定だった作業をしていると上原が戻って来て隣のデスクに座った。
「まだやってるのか。終わったらその辺で飯でも食おう」と誘われて、作業が終わると外に出て近くの居酒屋に入った。
「しかし腹たつ野郎ですね。DVってのは1番卑劣な行為だ。どうにかギャフンと言わせたいな」
「やっぱりファンとしても許せねーよな。いつも冷静な早瀬がAの顔見た瞬間から怖い顔してたもんなぁ」上原もこの話題はいつもより声を落として話した。
「俺はいつも冷静じゃないですよ。ふりをしてるだけです。上原さんはこの先、この件はどうしますか?」
「しばらく様子見るしかないな、あまねーに任せて。Aはしばらく外には出ないほうがいいからな。あれじゃ出られないだろうし」
「ドクってやつはおとなしく引き下がりますかね」
「RバンドよりAの知名度のが高いから、向こうの事務所もこのスキャンダルを利用して売名の節があるな。それにDVするようなやつはしつこいから、はいわかりましたとはいかないだろうな」
「Kさんも怒ってるんじゃないですかね」
「Kさんの存在が大きいから、事務所に何かをしてくることはないだろう。Aがその野郎と2度と会わなければいいけどな。もうマンションも引きはらい、しばらくはあまねーの所に住むことになってるから大丈夫だと思うがな」
その夜は上原がタクシーで送ってくれた。夜空にはやけに大きい星が輝いていた。
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2週間ぶりに深田がうちに泊まった。昨夜は遅かったにも関わらずなぜか早く目覚めた。夜中に雨が降って今朝は暑さが和らいでいた。2人ともまだベッドの中にいた。
「香って呼ぼうかな」
「どうしたの急に。いいわよ。じゃ私は健太? 健ちゃん? どっちがいい?」
「呼びやすい方でいいよ」
「じゃ健ちゃん。かわいい」
「じゃ健太にしろ。かわいいのはダメ」
「わかった。じゃそうする。それでどうなのAさん」
「あれから報道も少なくなって来たし、あまねーのところで落ち着いて来てるんじゃないかな。」
「よかった、私健太が恋人で。幸せよ」そう言って抱きついて来た。
幸せか。幸せはどうしたらなれるのだろう。お金がたくさんあっても幸せじゃない人はたくさんいる。体が健康じゃないとやっぱり辛い。でもどんな状況でも幸せを見つけられる知恵と強さがあればいい。香と一緒にいると幸せを多く感じる。その気持ちが強いから香を守るために無茶もする。
「無茶はしないでね」情事の終わりに彼女はそう言った。もうお互いに亀吉もソックスもどこかに消えてしまっていた。
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