KAC20245 「生きがいモンスター館」 はなさないでの老害お父さんを、連れていけ!

冒険者たちのぽかぽか酒場

 老害を、消せ!若い世代を平気でディスる高齢者を、どうしたら良い?勝ち組なあの人たちは、人間じゃなく…。

  いきなり、ド直球な質問。

  「老害高齢者をどう思う?」

 特に、若い世代の苦しみを平気でディスるような、金を持っている高齢者をさ。

 俺のじいさんは、俺の母親っていうのか、自分自身の娘に怒られすぎ。

 「お父さん!朝から、家でごろごろしないでください!」

 「何?負け組世代のクセに!」

 「お父さん?その言い方は失礼です!」

 「もう、休ませてくれい」

 「ちょっ…」

 「これまで、働きたくなくてもずっと働いてきたんだぞ?」

 ああ、言っちゃったね。

老害。

「お父さん!働きたくても働けない人を、傷付けないで!」

 ほら、言われた。

老害お父さんは、みじめ。

 「じいちゃん?生きがいを見つけに、外出しよう」

「わかったよ…」

 「生きがいモンスター館っていう、入場無料の洋館があるんだ」

 「なぜ、無料でやっていけるんじゃ?」

 「さあ?」

 うわさの洋館に、着いた。

 「…うあ!」

 じいさんが、足をすべらせた。

 「あぶない、じいちゃん!」

ふう…。

じいさんは、無事。

「ありがとうよ。この館のことを、まわりに話そうか」

「ダメだよ、じいちゃん!はなさないで!」

 「なぜじゃ?」

 なぜって…。

老害天国に、なりそうだもの。

「じいちゃん?フロアに、手すりがたくさん付けられているだろう?つかんだら、はなさないで」

 「おお」

館内に、不気味な声が響く。

「よこせ…」

 「よこせ…」

 「釘とハンマーを、出せ…」

 だれの声?

「あ…」

じいさんの姿はなし。

 そうだ。

俺、言ったよな?

 「あぶない、じいちゃん!」

 言われて、うれしかったろう。

老害高齢者になれば、なかなか気づかってもらえないから。

 そこで、決意。

 「わしも、やろう。皆に感謝されるよう、釘やハンマーを使って施設の修理を手伝おう!」

 だから、じいさんは消えたんだろうか。

 「この施設は、入場料無料(金が入らない)でなぜやっていけるのか?」

 それは…。

 この施設を影で修理している人たちが、そこそこ金を持っている高齢者たちだったからだろうよ。

リアルな、モンスター。


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