第42話
幕間•磁石みたいな二人?
「なぁ、委員長、明。聞きたいことあるんだが」
「ん?どうしたの悟くん」
「僕たちに、答えられるなら…」
HR後の授業が始まるまでの休憩時間。
私と悟くん、隣のクラスの明くんの3人は廊下でお話ししています。
議題は勿論、
「紳人と柑ちゃん…仲良すぎじゃね?」
あの二人のこと。私たちが集まると、よく話のタネになってますね。
少しだけ温かくなったそよ風に吹かれながら、明くんはこくこくと頷きました。
「僕とお姉ちゃんも、あそこまで…仲良くない…」
「家族なんだし、そういうこともあるよ」
従兄妹としてじゃなくて恋人さんとしてだけど、とは言いません。
婚約までしてるから、どうしても仲良くなっちゃうよね…。
それに、この間からより仲の良さが深まっている気がします。
乙女の勘なので確証はありませんが。
「でも、ずっと一緒にいるのはただの従兄妹じゃないだろ?だからよ。
試しに二人を離してみたらどうなるか実験してみようぜ!」
「えぇ!?そうなるの!?」
「聞いたところでどうせはぐらかされるし、それはこの際置いておくことにした!」
其方が本題なんだ…でも確かに、コンさんと紳人くんが離れてるのなんてお花摘みの時間くらいかも?
そう思うと、私もちょっと興味が出てきました。
やり過ぎにならないように見守る意味合いも込めて参加するのもありですね!
「遺恨が残らない程度でなら、私も気になるかな」
「そうだね…やり過ぎないので、あれば…僕も」
「うっし、じゃあ決まりだ!といってもやることは単純だ。昼休みに柑ちゃんを委員長が、紳人を俺たちが理由を付けて其々連れ出し暫く反応を見る…以上!」
ふむふむ…二人の仲を引き裂こうというわけでもなく、純粋にどんな反応をするか見るだけ。
これなら大丈夫ですね。もし失敗しても、後腐れはなさそうです。
少しでも嫌がったりコンさんが紳人くんに会いたがったら、すぐに見送りましょう。
その想いの強さは、少女漫画を見ているようでキュンキュンしますし。
こくりと頷く私たちを見て、悟くんも満足げに頷き…ひとまず、自分たちの席へと帰るのでした。
「未子さん、三人で何話してたの?」
「何じゃか楽しそうであったな。放課後にお出かけかの」
「へ?あ、うん!そうなの。楽しみだな〜」
「ふふっ…仲良いんだね」
「良きことじゃ」
席に戻った私を見て、疑問を投げかける紳人くんたち。
咄嗟に誤魔化すと二人は楽しそうに微笑み合う。
……引っ張っても離れないかも。
とても強い愛で結ばれているのが、凄く眩しくて…良いなぁって思うのでした。
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