紅き戦鋼のTSガール's
上殻 点景
1章 少女生成編
#1 少女は少年の夢を見る
【悲報】ワイの2000年やはり終わった年になってしまう......
○2000/1/11 ◎2000/1/11
1: 名無しのおじさん2000/01/09(月) 23:00:47.02
【西暦1996年】
・日本の島根県出雲に次元の扉が開く.
・扉の先より、未知の生命体が出現、戦闘に.
・ワイ、島根でローンを組み家を買う
【西暦1997年】
・友軍の奮闘にて土地を奪還。後に、
・同年、地球にて未知の敵との戦闘が多発.
・ワイの家、職場ごと消失する
【西暦1998年】
・調査の結果、扉の先に、異世界
・未知の敵は、
・ワイ、異世界で遭難しかける
【西暦1999】
・
・
・内包
・ワイ、ウッキウキで戦鋼乗りに志願するも、ハゲだからと落とされる
【西暦2000年】
・異世界
・ワイ、ニート←イマココ
2: 名無しのおじさん 2000/01/09(月) 23:06:24.68
なんや、結局俺らと変わらんやんけ
3: 名無しのおじさん 2000/01/09(月) 22:53:51.22
>>1
また、髪の話してる
・
・
・
「つまんねー、話しかねェ」
アルコールの匂いが鼻をつく。
病院内は携帯使用禁止の張り紙、
だが周りでも使ってる人間がちらほら。
俺は携帯のボタンを押し、画面を動かす。
携帯には、今日スレッドが並ぶ。
【魔物に対する対策不備】現政権は日本を殺そうとしている?
【雑談】ワイ気づいたら家の前にいたスライムを殴り殺した件
【テレビ】高橋一郎 「早期に門を破壊すれば、日本に魔物は出なかった……」
【島根】俺より強い魔物に合いに行く[立入禁止に入ってみた]
【プラモ】写真を元に戦鋼を自作で作ってみた
俺はボタンを押し、
画面をスクロールさせ、
最後まで板を確認するが。
「どれも似たり寄ったりだな」
(話題稼ぎのための異世界ネタが多すぎる)
壁の向こうで戦争が始まって早数年。
日本人はもう戦争に飽きてしまった。
初めの頃は、
毎日ニュースにもなり、
スライムが出るだけでネット上は大盛り上がりだった。
だが、
年月ってのは恐ろしい。
今やニュースに異世界の単語が混ざるだけ。
非日常とあれ程、騒いでいた戦争も、いまや日常の一つ。
道でスライムが出ても、俺達は猟友会に連絡するだけだしな。
所詮はよその話。
学生は勉強して遊ぶことが本分。
昼まで惰眠をむさぼって夜通し遊ぶのが最高だ。
(あーあ、早く帰ってロボゲーを弄りたい)
まだ買ってから封すら開けてないゲームだ。
ぱたんと携帯電話を俺は閉じる。
「にしても、集団ワクチン接種ねぇ」
わざわざ病院まで来させやがって、面倒だ。
「────さん、来てください」
自分の名前が呼ばれる。
看護師に案内されたのは無地な個室。
「消毒しますねー」
定期報告のように腕を差し出し、注射を開始する。
チクリとした痛みが走り、視界が回り。
(アレ......この薬って眠くな─────)
空間が暗転する。
結果だけを伝えるなら、俺の話はここまでだ。
◇◆◇
日本旧鳥取県、研究施設。
巨大な試験管は内部に気泡を立てて鎮座しており、ガラス内部には不規則に動く影が見られる。
本来、計器と気泡の音以外ひびかない部屋ではある。
だが、今日は違った。
白衣を来た男たちが争う。
眼鏡をかけた人、立派な髭の人。
眼鏡の研究員はなだめるように口をあける。
「これでは面白い結果は得れません」
「面白い? 君は実験の趣旨をはき違えているようだ」
髭の研究員に対して、眼鏡の研究員は不快感をだす。
「不足した兵士を作る実験でしょ」
「作るのは兵士ではない───英雄だよ」
髭の研究員は取りつかれたように語る。
「それも物語の主人公のような人物をゴミから作り出す」
「無茶苦茶だ」
眼鏡の研究員は呆れた顔で言葉を返す。
「馬鹿だと思うかね」
「馬鹿だと思います」
髭の研究員の問いに、研究員の眼鏡は曇る。
「現状、なんの面白みもない実験だ」
「なら出ていくかね?」
「まさか、最後まで付き合いますよ」
「失敗するかもしれんぞ」
「それはそれで面白いのでアリですね」
そうか、と髭の研究員は返し、
眼鏡の研究員は定位置に戻る。
周囲を見渡し、
軽く一呼吸置いた後、
髭の研究員は宣言をする。
「これより、第一次■■■■計画を始める」
未来と狂気を含んだ実験は進み、
結果────、
試験管には、
まっさらな白の、
無垢で華奢な少女。
そうして俺は/私になった。
これが少女の最初の記憶。
◇◆◇
【日本 旧鳥取県 鳥取砂丘】
砂丘にて、
幾多の兵と敵
鉄の鎧と化け物が入り乱れる。
鉄の鎧にかかれた文字は、【
1人用の操縦席を支える二脚は強靭で、排気口からは絶え間ない白煙が昇る。
対して化け物は、【
肌は岩石であり、覗く口はピンク色、目はうっすらと光るのみ。
動くたびに岩と砂の軋む音が聞こえ、現在食事中と言わんばかりである。
配線が飛び出たカメラの追尾性は遅く。
戦鋼の画面に怪物は映りきらない。
私の保護帽は白く曇り、
計器は甲高い音を鳴らし、
操縦席は今をなお揺れている。
「味方AからGまでの反応消失」
私の声より先に、
レーダーから
「戦闘を継続」
近くにいる怪物に、
戦鋼が手に持つ突撃銃を撃つ。
銃弾は岩石にめり込み、白煙を立てる。
突撃銃を腰部に戻す。
「味方IからZまでの反応消失」
やはり私の声より先に、
レーダーから
残ったのは、自分のみ。
戦鋼の腰部からナイフを取りだし、
脚部を動かし、轟音をたて怪物に接近、
「戦闘を継続」
ナイフを突き刺す、
が 、表面で刀身は弾かれ、
無残に刃こぼれした結果を残す。
戦鋼はナイフを捨てる。
「硬いのが取り柄ですか」
「「「ギュオオオッ」」」
吠えた怪物共は地面に消える。
戦鋼のカメラには砂塵がこびり付き
コクピットの画面は黄色く濁り、
操縦席は更に揺れる。
「対象を消失。地上にて迎撃態勢で待ちます」
戦鋼は腰を下げる。
再び突撃銃を装備。
私はレーダーを厳として目視する。
潜る相手に待ちは悪手。
「命令は......命令は優先」
私は念仏のように反復する。
消えていった青点が脳裏をよぎるが、
戦闘区域からの離脱は、命令で禁止されている。
私は操縦棒を強く握る。
『────意識だけは一人前だな』
沸騰しそうな私の頭に、
冷たい凛とした声が響く。
画面を見ている思考は二分割にされる。
「ナビィ、何用ですか?」
実験以来の付き合いとなる幻聴は、
会話、おせっかい、小言と高性能な取り揃えだ。
『大丈夫か、潜った敵への案内は必要か?』
「今は戦闘中です。冗談は後にしてください」
『冗談なぞ、言ってる場合か』
今日は妙に絡んでくる
たいていこういう時はロクなことが起きないのが相場だ。
(正直、集中の邪魔という話はありますが)
邪険にしすぎると後が面倒ともいう。
「ナビィ────」
『撤退しろ。遊ばれているぞ』
「ですが、任務は“敵の殲滅”です」
『現状は『敵の餌』だろ』
機体のレーダーに赤点が映る。場所は、正面。
「反応有り、直ちに迎撃します」
声に合わせて、
操縦管を操作、
銃を持ちあげトリガーに手をかける。
(まずは、一匹────)
『下だ、馬鹿』
足元が揺れ、
砂を割いて大口が現れる。
レーダーに映るは、青点と重なる赤点。
「回避、不能────」
機体が食われる様。
一瞬はコマ送りのようだ。
口がゆっくりと閉じる。
私は見ていることしかできない。
『────全く、手間のかかる奴め』
右手がピクリと動き────
私の意識は、途切れる。
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